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20040729 念力で消える雲

 念力で空に浮かぶ雲を消す$${^{*1}}$$、という人をテレビジョンで見たことがある。カメラの前で適当な雲を指差してこれからあの雲を消すと宣言する。何か指先から念をを送るような仕草をする。その仕草が滑稽なのでお笑い芸の一種であろう。

 念力というのがあるかどうか判らない。あればあったで色々使えそうなので、あってもいいと思う。世の中はそんなに甘くないので、多分ないだろう。従って雲が消えるのは念力のせいではない。

 空気中の水蒸気が冷やされて小さな水滴や氷の粒になって浮かんでいるのが雲$${^{*2}}$$である。湯気と同じである。風呂や鍋の湯気は必ず消えてなくなるので、一旦できた雲もいずれは消えてなくなるはずである。雲が大きくなるのはその雲が膨らむのではなく、次々と雲が追加されて消える分よりもできてくる量が多いため、と考えた方がいいかもしれない。

 よく晴れた日にどこからか流れてきたような小さな雲であれば、その雲の周辺で再び水滴や氷の粒ができる必然性は全くない。従ってその雲は湯気と同じように必ず小さくなって消えていく。

 念力がなくても雲は消せる。こういったお手軽「芸」をデートの時に披露するのも一興かも知れない。ただし、相手の知識量を勘案しなければならない$${^{*3}}$$のはいうまでもない。

*1 不思議キッズ 科学マジックの部屋2001年10月
*2 雲のでき方
*3 20000510 Mitsouko 2

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