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20000510 Mitsouko 2

 読者の方から間違いを指摘して頂いた。ゲランの香水「Mitsouko」の話題$${^{*1}}$$についてである。

 Mitsoukoはフランスの作家Claude Farrereの小説「La Bataille」に出てくる女性でTogoの妻であると書いた。指摘によるとこの小説でMitsoukoの夫として登場するヨリサカ・サダオ侯爵は東郷平八郎がモデルではないそうである。ヨリサカは長州出身でフランスの海軍兵学校を卒業しパリで駐在武官を勤め、日露戦争時には大尉という設定である。一方、実在した東郷平八郎$${^{*2}}$$は薩摩出身でイギリスへ留学したのであった。
 従ってMitsoukoがTogo将軍の妻というのは辻褄が合わないということになる。

 「La Bataille」を読まずに文章を書いたことが原因である。反省しなければならない。 しかし何も根拠がなく書いた訳ではない。
 ゲランのサイトでのMitsouko$${^{*3}}$$の由来の説明で

Mitsouko, belle japonaise mariée à l'Amiral Togo$${^{*4}}$$(私の訳:海軍大将トーゴーの妻である美しい日本女性ミツコ)

とあったからである。ただしこの訳でも誤謬を犯しているかも知れない。


「君に贈り物があるんだ。受け取ってくれないか」
「嬉しい何かしら」
「開けてごらん」
「まぁ、ゲランのミツコ」
「この瓶、何かに似ているだろ。仁丹の将軍マークに」
「そう言われてみればそうね。でもLa Batailleのミツコはヨリサカの奥さんよ。将軍とは関係ないわ」
「えっ。トーゴーじゃないの・・・」

 蘊蓄を傾けるつもりが逆に傾けられることがないように気を付けなければならない。

*1 20000505 Mitsouko
*2 山下校区の先人
*3 心から、消せない香り。ミツコ
*4 Mitsouko - Eau de Parfum de GUERLAIN ≡ SEPHORA

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