見出し画像

20010813 美味しいもの

 「美味しいものがお好きな皆様に」という表現に出会った。美味しいと思うからその食べ物が好きになるのであって、万人に共通な「美味しい物」というものは存在するのだろうか。味の感覚$${^{*1}}$$の種類に「甘い」「苦い」「酸っぱい」「塩辛い」があって、更にそのどれにも入らない「うま味$${^{*2}}$$」という味が知られている。グルタミン酸ナトリウム$${^{*3}}$$などの味である。

 このうまい、美味しいと感じる味覚である「うま味」と、食べた時に「美味しい」と感じることは基本的に全く違うことではないだろうか。前者はそれが甘いとか苦いとかと感じるのと同様に「うま味」を感じているのだが、後者はただその味が好きだから「美味しい」と思うのである。酸っぱいだけでも美味しい旨いと思う人はいくらでもいるのである。「美味しいものが好き」というのは「そんなのは当たり前じゃないか」と反論を誘発する表現である。

 味覚というのは動物が捕食する時、それがその動物にとって害があるかどうかを判断するために備わった機能であろう。うちで飼っている亀もはっきりした味覚があるようだ。必ず先に食べる餌$${^{*4}}$$があることを以前書いた。これらの餌以外にキャベツを与える$${^{*5}}$$ことがあった。これらに比べてキャベツはそれ程好きではないようである。最近、キャベツがなかったのでレタスを与えてみた。キャベツよりもよく食べることが判った。人間でも千切りしたレタスとキャベツとの区別が出来ない人がまれにいる。亀の分際でなかなか繊細な味覚を持っている。

*1 舌と味覚
*2 解き明かされる味覚の情報伝達
*3 日本うま味調味料協会-うま味辞典
*4 19990921 亀のグルメ
*5 20000819 無事だった亀

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?