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20000608 単位

 製品の広告で自社の商品が如何に優れているか、効果があるかを示すために科学的に測定された数値を出す場合が多い。

 例えばピップエレキバン$${^{*1}}$$の800ガウスは「ガウス」が磁気の強さを表すのは分かるが、一体どの程度の強さなのか実感が全く掴めない。しかも最近は「国際単位系$${^{*2}}$$」にならった表示$${^{*3}}$$にしたため、800ガウスが80ミリテスラになった。「ミリ」が付いたので何となく磁力が小さくなった印象があるが、全く同じである。それにしてもその磁力が凄いのか凄くないのかは全く分からない。

 タウリン1000mg$${^{*4}}$$でも同じである。1000mgということは1gのことである。これが多いのか少ないのか分からない。それに1gをわざわざ1000mgにしているのは何故か。恐らくタウリンという物質を栄養学関係で扱う場合、mgが一般的$${^{*5}}$$なのであろう。

 一般の消費者は単位の意味するところなど殆ど気にしていないので、数字だけを見てしまう。ピップエレキバンの場合、「ミリテスラ」ではなく「マイクロテスラ」にすれば800ガウスは80000マイクロテスラになって磁力の強さの印象はかなり増す。だがこれでは如何にもわざとらしい。800ガウスを80ミリテスラに変更したのは英断だったかもしれない。

 以前、知り合いで減量に挑戦している人がいた。スローガンは「めざせ!0.1t(トン)」であった。

*1 ピップフジモト株式会社
*2 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版について
*3 ピップフジモト株式会社 ガウス→テスラ
*4 リポビタンD| 製品詳細 | 大正製薬製品カタログ
*5 EPA

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