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20011226 瑠璃も玻璃も

 ある雑誌の記事にCDやDVDは磨くとそこに記憶されている音が良くなると言うことが書いてあった。DVDの場合は画像までも良くなるとある。「良くなる」という言葉の意味が明確ではないが、記録面に埃や汚れがあれば読み取り誤りが生じて、それが雑音になるだろうから「磨けば良くなる」というのも不思議ではない。

 このデジタルで記憶されたCDやDVDを磨くと音だけでなく見た目にも綺麗になる。記事ではこのことに対して「瑠璃も針も磨けば光る$${^{*1}}$$」という諺を引き合いに出していた。著者は「最近の若い人はこの諺を知らないだろうが」と断っていたが、最近の若い者だけではなく大昔若かった人達だってそんな諺は知らない。

 「針」ではなく「玻璃$${^{*2}}$$」である。オーディオ関連の雑誌なので、アナログ式のレコード盤の類推から「針」と思ってしまったのだろうか。これはワープロの誤変換という言い訳は効かないだろう。本になっているのだから少なくとも一回は原稿を読み直しているはずである。誤変換なら本来漢字2文字の所が1文字になってしまっているので気付かないはずがない。

 更に「瑠璃も玻璃も磨けば光る$${^{*3}}$$」という諺もない。「瑠璃も玻璃も照らせば光る$${^{*4}}$$」ならばある。幼少の頃に読んだ本にいろはかるたの比較$${^{*5}}$$について書かれたものがあった。それで「瑠璃も玻璃も磨けば光る」と覚えてしまったが、「磨く」ではなく「照らす」であった。この記事を書くに当たって初めて知った。

*1 いろはがるた一覧表
*2 玻璃(はり)とは何? Weblio辞書
*3 大衆禅いろは碧巌 (大東出版社): 1934|書誌詳細|国立国会図書館サーチ〔る〕 瑠璃も玻璃も磨けば光る / 115 (0072.jp2)
*4 瑠璃(るり)とは何? Weblio辞書
*5 いろはかるた比較

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