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「道」を作る人の重要性

2021年は大谷翔平選手の活躍が特に目立ちました。打撃ではHR46本、投手では9勝と投打に大活躍でした。今年も活躍してほしいところです。

シーズンオフから年始にかけて大谷選手の特集が数多く取り上げられています。大谷選手がなぜこんなに活躍できたのか、みんな知りたいのは当然でしょう。

実力、努力、チームメイト、二刀流への理解がある監督、一平さんなどなどたくさんの要因が挙げられます。


でも、大谷選手が活躍できたのは大谷選手自身やその周辺の人だけの力でしょうか。

私は日本人先輩メジャーリーガーの活躍なしに大谷選手の活躍はなかったと思います。

野茂、イチロー、松井、松坂などなど、彼らの活躍なしに大谷の今年の活躍はあり得なかったです。

もし、大谷が初めてメジャーに挑戦する選手だったらどうでしょうか。

まず間違いなく二刀流という大それたことは実現しなかったと思います。初めての日本人メジャーリーガーですからね。

「どれだけ日本で活躍してたかは知らないけど、メジャーで投手も野手もやるなんて舐めてんのか?この日本人が」で一掃されるでしょう。

メジャーリーグこそ圧倒的世界一の自負がありますから、日本で活躍していたなんて何の実績になりません。

でも、そんな状況で野茂やイチローは結果を残しました。アメリカ人の評価も大きく変わりました。日本人はメジャーでも通用する。投手でも野手でも日本人はメジャーでやっていける。

彼らがメジャーで結果を残すことで日本人の実力を示したのです。

彼らは日本人がメジャーに行く「道」を作ったのです。

この「道」を作るというのが非常に重要なのです。

野茂やイチローが「道」を作ったことで、当時小中学生であった後輩たち(大谷や田中将大)が「日本のトップ選手はメジャーに行くんだ。俺の目標はメジャーだ。」とメジャーを夢に描くことが出来たのです。

大谷や田中は小さい頃からメジャーを見据えて英語を学んだり、メジャーリーグベースボールとはどういうものなのかの研究を早いうちから行うことができたのです。

そういう意味で、先輩メジャーリーガーが示した「道」というのは本当に価値があるものだと思います。

同じ理由で、大谷も非常に価値のある「道」を作っています。

少年野球だと、エースで4番みたいな人って結構たくさんいます。強豪校も入学時はエースで4番ばかりです。

徐々に、自分はピッチャーで1番になろう。アイツにはピッチングで敵わないからバッターでトップを目指そうとなっていき、ポジションが分かれていきます。

でも、大谷みたいにどっちも超一流って選手もいるはずなんですよ。もしかしたら今までも二刀流できたかもしれないけど、諦めて投手か野手どちらかに専念していたかもしれません。

しかし、大谷が二刀流という「道」を作りました。これは今、野球をやっている子供たちにとって物凄く勇気づけられることだと思います。

大谷は素晴らしい「道」を作っています。


***

「道」を作る話は何も有名スポーツ選手に限った話ではなく、私たちの身近なところにもあります。


私の高校時代の友人Tの話です。私とTは高校時代野球部に所属していました。甲子園を目指せるような強豪校ではなかったのですが、高校最後の大会が終わった後、Tは

「俺は東京六大学に挑戦する」と言いました。

私たちのいた高校は強豪校ではありませんし、六大学はプロ野球選手を毎年何人も輩出するレベルの高いリーグです。

結局、Tは浪人して東京大学に合格し、東大で六大学に挑戦しました。

おそらくTが私たちの高校で最初の六大学野球挑戦者です。

Tの大学時代の話は省略しますが、4年間野球をやり切りました。

その後、私たちの高校の後輩が東大で六大学に挑戦しました。走塁のスペシャリストして活躍したそうです。

後輩にとって私の友人Tはとても大きな存在だったと思います。

「俺の高校でも東大に行けば、六大学に挑戦できるんだ」

Tの存在が六大学に挑戦する背中を押してくれたのは間違いないでしょう。

Tは六大学で大活躍した選手ではなかったけれど「俺たちの高校でも東大に行って六大学に挑戦できる」という「道」を作ったのです。

HRや奪三振みたいに分かりやすく可視化されるものではないけれど、実は後輩たちの活躍を後押しする物凄い価値のあることをしていたのです。

私は「道」を作ることをもっと評価してもいいと思っています。

分かりやすい可視化しやすいことが全てではありません。

自分は大した功績を残すことが出来なかったなと思っても、実は後輩たちが歩く「道」を歩きやすくするために多大な貢献していたのです。

だから落ち込まずに胸を張っていいと思います。


じゃあ、またいつか会いましょう!


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