ざき

ドイツ語のオペラや歌曲の歌詞やト書を分析しています。アニメ・文学オタク。コスプレとカメ…

ざき

ドイツ語のオペラや歌曲の歌詞やト書を分析しています。アニメ・文学オタク。コスプレとカメラもします。オーボエ・ピアノ・ティンパニ・声楽ちょっとできる。

マガジン

  • ゆるっと西洋史

    芸術系の学生さんを対象に、美術史や音楽史の理解のサポートとして西洋史の大まかな流れをまとめたマガジン

  • 考え事

    普段考えていることをゆるっと書き連ねていく

最近の記事

オーボエを職人(マイスター)に修理してもらった話

久しぶりのnote更新、普段は歴史など人文系の記事を投稿しているが、今回はただの日記である。しかし、とても印象に残る出来事だったので書き留めておこうと思った。 オーボエの音が出ない…X(旧Twitter)のプロフィールには記載しているが、実はオーボエを中学1年生の頃から続けており今年で12年目になる。中高の部活でオケに入っていた時は吹く機会も多かったし、保証期間内だったので、季節の変わり目などこまめに楽器をメンテナンスに出していた。大学に入って音楽系のサークルに所属したもの

    • 【ゆるっと西洋史】(3)東ヨーロッパ世界の成立

      前回の投稿から2週間ほど空いてしまったが、今回の記事は東ヨーロッパについてである。東ヨーロッパと言うとどの辺りをイメージするだろうか。現代ではポーランドなどの東欧をイメージするかもしれないが、今回メインに話していくのは、現代で言うギリシアやコンスタンティノープル(現代のイスタンブル)辺りについてである。ぜひ世界地図を参照しながら読んでもらいたい。 ビザンツ帝国ビザンツ帝国(東ローマ帝国)は、ゲルマン民族の大移動の影響をあまり受けることなく、1000年近く存続した。西ヨーロッ

      • 【ゆるっと西洋史】(2)フランク王国分裂から教皇権の絶頂まで

        前回のお試し記事ではゲルマン民族の大移動からカール大帝の治世までを扱った。たくさん需要があるわけではないが、必要としてくれる人が一応いたので、これからもゆるゆる書いていきたい。今回からは1記事あたりの記事が長くなるが許してほしい。 フランク王国の分裂フランク人は分割相続の習慣があったため、国王が亡くなった際に領地は嫡男(長男)のみに相続されるのではなく、子どもたちすべてに均等に割り当てられる。カール大帝の死後、3人の男子のうち上の2子はすでに亡くなっていたため、全ての領地は

        • 【ゆるっと西洋史】(1)ヨーロッパ世界の形成

          新しい企画、「ゆるっと歴史」シリーズ 現在私は藝大の大学院に在籍している。その関係で学部生と話す機会が割と多いのだが、音楽史の話をすると「西洋史がわからない」という声が意外にも多かった。 藝大だけでなく、ほとんどの音楽大学では音楽史の授業が必修であると思うが、西洋史を理解せずに西洋音楽史を理解するのは難しいと私は考えている。歴史の流れと、その音楽という文化が生まれた根拠がわからなければ、音楽史はただの暗記科目となり、非常に苦痛に感じるだろう。もちろん、東洋史と東洋・邦楽に関

        オーボエを職人(マイスター)に修理してもらった話

        マガジン

        • ゆるっと西洋史
          2本
        • 考え事
          2本

        記事

          私 / 俺

          マガジン「考え事」シリーズ、最近ポンポンと書きたいことが思いついてちょっと楽しい。だいたい内容は鬱々としているが。今日もそのひとつ、セクシュアリティとジェンダー、性的指向について話したいと思う。 「私」って何だろう 物心ついた時からスカートやフリフリした可愛らしい服が苦手だった。ピアノの発表会で着るドレスも嫌だった。バレエのチュチュは好きだったし、別に男の子になりたい訳じゃないけど、「女の子らしく振る舞いなさい」と言われることが苦痛だった。「女の子はこうあるべき」というよ

          演奏会衣裳とジェンダー

          先日、後輩のレポートの指導を頼まれた際に、レポートのテーマと後輩の着眼点が非常に興味深かった。「クィア音楽文化」に関する特別講義を踏まえて、自身の演奏活動にどう活かしていくか、関わりがあると考えたか、というようなテーマだったと思う。後輩のレポートを読んでいて共感できる点が多く、ジェンダーマイノリティの私の視点でも考えてみようと思った(この話についてはまたいずれ)。 演奏会で奏者に求められる衣裳一般的に、男性はタキシードあるいは燕尾服、女性はドレスあるいはブラウスとスカートが

          演奏会衣裳とジェンダー

          生きるの難しい

          日も長くなってきた今日この頃、春が近づいているとはいえまだまだ寒い。冬の暗くて寒くて頬をつんざくような空気は人の心を陰鬱にさせる。例外なく私も冬の空気に晒されて鬱々とした気分をここ最近抱えている。朝は布団から出られず「うう…」と唸りながらスマホのアラームを止めて二度寝に入る。そして起きるのは正午、軽く絶望して適当に冷蔵庫にある余り物を胃に入れ、また寝に戻るというのを昨年11月の卒論を書いている時から続けている。 自分がうつになったのはいつ頃だろう。おそらく高1の夏休み明けか

          生きるの難しい

          《ジャンニ・スキッキ》観劇

          11月11日(金)、普段からお世話になっている先輩・友人たちが関わっているオペラ公演、《ジャンニ・スキッキ》を観劇した。主催はNovanta Quattoroという先輩が立ち上げたオペラ団体で、実力のある若手の音楽家と製作陣を中心とした団体である。旗揚げ公演の《ラ・ボエーム》は残念なことに拝聴できなかったが、今回演出を務められた吉野さんのお誘いで観劇させていただいた。後にも詳しい感想を述べるが、総じて言うと大変エネルギッシュで愉快で素晴らしい公演であった。 舞台装飾および衣

          《ジャンニ・スキッキ》観劇

          はじめまして

          自己紹介はじめまして、ざきと申します。現在は総合大学でドイツ文学を専攻していますが、来年の春から東京藝術大学の大学院音楽研究科で研究させていただく予定です。専門はドイツ語圏のオペラや歌曲で、今は『魔弾の射手』のドイツオペラ史における位置付けについて考察しています。 なぜnoteを書こうと思ったのかこれは実体験なのですが、オペラや歌曲を演奏する上で歌詞を「文学」として捉えている方は少ないように思えます。歌が「音楽」なのか「文学」なのか、これについてずっと考えていますが、ドイツ

          はじめまして