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日本ではあまり知られていないアメリカのポッドキャスト事情

昨日リリースされたアメリカの12歳以上を対象としたデジタルメディアの利用状況のレポートが非常に興味深い。

The Infinity Dial 2019

こちらのレポート、SNSのアプリ別利用状況の年毎の変化を追いかけている部分なども興味深い(Snap Chatってこんなに根強い人気があるんだ!とか、若い人がどれだけFacebookから離れつつあるのかとか)のでぜひ全編見て頂きたいのだが、今回取り上げるのはポッドキャストに関する部分。

ここ数年日本のクライアントや来訪者にアメリカでいかにポッドキャストが流行っているかという話をするのだが、みなさんなかなかピンと来ない。ここ数年私個人は車を一人で運転しているときはほぼ例外なくポッドキャストを聞いている。

こうするようになった背景にはもちろんコンテンツが充実してきたということがある。2017年にはこんな記事も書いた。

英語だけでなくシリコンバレーのトレンドまで学べてしまうポッドキャストおすすめ

私は主にテクノロジー・ベンチャーキャピタル・スタートアップ関係のポッドキャストを聞いているのだが、特に最近はポッドキャストの方がウェブ上の記事より面白かったりすることが多い。時の人をタイムリーにインタビューして本音をずばずば聞けてしまうのもポッドキャストの魅力である。例えばこちらのインタビュー:

毒舌ジャーナリストのKara Swisherによるインタビューで、Recodeの記事に書き起こしもあるのだが、生の会話の迫力はなかなか文字からは伝わってこない。

先の調査の以下のグラフにある通り、12歳から24歳で過去1カ月にポッドキャストを聞いたことのある人の割合は40パーセント、25歳から54歳でも39パーセントという数字で、年々これが成長している。

さらにこれらポッドキャストのリスナーのうち、過去1週間の間にポッドキャストを聞いたことがある人を対象に1週間でいくつのポッドキャストを聞いたかの回答がこちら。

なんと平均で1週間に7つものポッドキャストを聞いているという結果に。

こうしてみると先日ストリーミング音楽最大手のSpotifyがいくつかのポッドキャスト関連のスタートアップを買収したことも納得がいく。Spotifyのビジネスモデル上の弱点はユーザー数が伸びてもそれに比例してコストも上がっていく、すなわちレーベルに支払うロイヤルティも上がっていくというところにあったのだが、ポッドキャストに関してはまだマネタイズは広告のみであり、Spotifyが今後大きく伸びが期待されるポッドキャストの分野でビジネス的にも主導権を取ることができれば、音楽とは全く違うマージン構造のビジネスを展開することが可能になってくる。

こうした流れが果たして日本にも波及するのかはまだ未知数ではあるが、少なくともテクノロジーの世界で起きている大きな動きとしてウォッチしておくべき分野だと思う。


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