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114【企業の悩みは千差万別】地方在住経営コンサルタントの思索

写真は倉敷アイビースクエア(旧倉敷紡績本社工場)において7月2日まで開催中のイ草を使った雑貨展の様子です。イ草製品は干拓地が多い倉敷市の伝統産業の一つです。
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はじめに


私はメインの業務として、毎月1回ないし2回ずつ顧問先を訪問し、財務を軸としたコンサルテーションを実施しています。

日々強く感じるのは「企業毎に悩みは全く違う!」という事実です。

今回は既存の顧問先9社のコンサルを行っていき、更に縁ある企業の代表や幹部と経営内容の改善をテーマに面談を繰り返していく中での、年商10億円規模までの中小零細企業の経営における悩みのトレンドについて3点書いて参ります。

地方経済で起こっている「リアル」を感じていただき、経営やビジネスにおける何がしか、積極的な打ち手への発想が広がることを期待して書きます。

年商10億円規模までの中小零細企業の経営者・経営幹部、事業主の方々へ読んでいただきたい内容です。

1.人材不足の対策へ近道なし

このテーマがまず、経営者の口をついて出てくる分野です。「そりゃそうだよね。」と思われる方も多いのではないでしょうか?

年商10億円規模までの中小零細企業において、ヒト、モノ、カネ、情報、全分野において経営資源は限られており、

「だから、中小零細企業なんだよ!」
と言われてしまえばそれまでですが、厳しい現実と日々戦っているというところではないでしょうか。

あまりにもこの分野の問題が多いので、弊社では以下のケースに分けて対応しています。地方都市における年商10億円規模までの中小零細企業の人材募集という前提条件です。

①よろず支援拠点の人材分野専門家を活用
➡岡山県においてはコーディネーターが充実しており、1時間の無料相談の中で、総論的な話から王道の理論をレクチャーいただき、各論的にはインディードやハローワーク、既存ホームページの構成や文章などについて的確に指示をもらい、ディスカッションできるという流れを重宝させていただいています。このやりとりの中で、過去の採用と今後の採用のマーケットは全く異なるということが認識され、経営者の覚悟も決まってくるということになります。

②採用戦略・戦術まで指示できるコンサルタントを紹介
➡弊社は財務分野に特化しているため、人事分野にも精通し、メディアの活用策までマーケティング理論を元に戦略・戦術を協議の中で組んでいくことができるコンサルタントを紹介しています。かなり実働量が多いにも関わらず粘り強く課題へ真摯に取り組んでくださる方なので顧客満足度も高く、非常に有難く感じております。

③人材紹介ルート・方式の構築サポート。
➡弊社が長年培ってきた人脈と、相談側経営者の人脈を合わせ、可視化し、協議を重ね、求める独自の人材獲得の仕組みを作り出すように取り組んでいます。様々な団体・教育機関、ケースによってはヘッドハント的なものも駆使しながら、中長期的視野で安定的な人材獲得方法を企業毎に作り上げていくサポートを実施しています。

2.つらい資金不足を解消するには

コロナ融資の元金返済が開始するも本業が傷んだままで、返済原資が確保できていないというキツイ現実を突きつけられている企業は多く存在しています。

実際、ヘビーな状態の経営者であっても、地方においては、業歴があって、一定の信頼を得ている場合は、地域振興に関わる公的な仕事も場合によっては入ってきます。例えば地域の行事や経済団体の活動など、本業以外に時間を割かざるを得ない場合もあります。

きれいごとを言えば、半公的な仕事は「陰徳を積む」、ということになるのかも知れませんが、常に資金に不安を抱えたままでこういった仕事に携わることは精神的にも困難を極めます。お金の不安がある場合は、人間のIQは低下するというデータもあるように、本来は何を差し置いても、本業の改善に徹底的に取り組まねばならない状況にある場合は、業務の優先順位設定と社内の誰が担うのかといった交通整理が必要です。

ざくっとダイジェスト的に急を要する場合の対策は以下です。
①財務実態の徹底把握
②資金繰り予定表と改善経営計画書の策定
③メインBKと政府系金融機関との交渉開始
④ニューマネーの投入で改革の時間を確保

筆者の考える再生プロセス案

細かく言えばプロセスは無数にあるのですが、実態を把握し、未来への打ち手を明確化し、資金を獲得し、変化していくための時間を作り、ひたすらPDCAサイクルを回していくことが王道と考えています。

3.企業実態分析が不十分(戦略・戦術が不明確)


資金に余力はあるものの、次の打ち手が明確になっていない、ということで悩むケースも存在します。

財務的な実態を正確に理解していないと金融機関との取引バランスがうまくいかないこともあります。例えば、財務格付が優秀なのにも関わらず、保証協付融資のみ、更に不要で目的の無い積立預金をさせられているといったこともあったりします。

要は現場を回して、単月の黒字をどうにか達成することがやっと。次の中長期的視点での戦略と戦術を描けていない。重要だとは思っているが、何から手を付ければ良いか分からないという状況は年商10億円規模までの中小零細企業にとってあるあるです。

結局、企業の財務的実態把握、過去の振り返りを徹底的に行い、クロスSWOT分析というフレームワークを利用し、徹底的に議論すれば、進むべき道は見えてきます。進むべき道とは、資金を戦略的に投入していく項目と言い換えることもできます。

やはり、企業経営というのは掴みどころがない側面もあります。まずは、クロスSWOT分析を根拠とした経営計画の策定からあるべき未来を定義するところから始めるべきだと日々のコンサルテーション中で強く感じております。

まとめ

・人材不足については長期的な視点も持ち、専門家や外部の力を借りながら自社独自の採用方程式を構築していく挑戦が必要な時代と言える。

・資金不足は当然ながら最優先で取り組まねばならない課題と言える。事業をV字回復していくには経営者の胆力だけでなく、適切な判断ができるコンサルタントとの連携が重要となる。

・企業実態把握と経営計画無しに、未来へ進んで行くにはロスが多くなり、布石を打たねばならないタイミングを逃すこともあるので、まずは経営計画の策定からから着手すべきである。
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今回もお読みいただきありがとうございました。

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株式会社なかむらコンサルタンツ
代表取締役 中村徳秀

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