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122【夏枯れしない経営を目指す】地方在住経営コンサルタントの思索

写真はJR児島駅内の階段です。倉敷市児島エリアは戦前より繊維産業が盛んで、国内ジーンズ発祥の地です。ゼロから1を生み出す児島の方々の気質にリスペクトしています。
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はじめに


「夏枯れ」という言葉を聞いたことがありますか?

8月はビジネスにとって逆風の業界が多く、総じて売り上げが減少傾向である、という意味です。

しかしながら、考え方によっては、次の仕掛けの準備期間と捉えることもできます。何事もメリハリは重要ですので、この8月という時期をプラスに考えることも必要だと思います。

今回は、不定期な「なかむらコンサルタンツ通信」的な内容です。

地方都市での中小企業のリアルを感じていただければと思います。


1.銀行閑散期にあえて借入を申し込む

銀行などの金融機関も順番に長期休暇を取得することが多いのが8月です。そのため、営業攻勢も緩やかになりがちです。

その代わりと言ってはなんですが、9月は上半期の締めですので、絶対に負けられない数字的着地目線が存在します。つまり、8月までにあまりメリットのない案件や、手間のかかる案件は終わらせ、あわよくば、9月刈り取りの前向きな案件を拾いたいという心理が担当者にははたらきます。

この時期を利用してと言っては何ですが、顧問先の2社が金融機関との話を進めています。

①新規借入の申し出(製造業)


→設備資金(一部補助金利用)とそれに伴う増加運転資金部分の借入を、返済が進んで残高シェアの下がってきた銀行に打診しています。いわゆる折り返し融資と捉えることもできるのですが、直近決算と業況が好調であるため、強気の交渉ができると考えています。経営計画も支店長と担当者へ説明済ですので、多少のやり取りはあるとは思いますが、総じてスムーズに話は進むであろうと予測しています。

②借入組み換えの申し出(建設業)


→個人事業と法人での営業が並走している企業が顧問先にあります。案件の種類毎で色分けして受注し、経営を続けてこられたのですが、今後の経営方針を計画で定めたところ、どうしても既存融資の組み換えが必要となってきました。取引銀行A銀行とB銀行の両担当者へ、同じタイミングで説明し、誠実で親身の対応をしてくれたB銀行を軸に、借入の再編を依頼することになりました。対銀行担当者とスキームの擦り合わせを実施し、8月中にはスキームが決定し、方向性が明確になります。

こちらの企業は、対民間工事の受注が長年の経営者の努力で安定してきており、中型・大型案件がここ3年間で特に増えてきました。セオリー通り、工事の案件に紐つきでの短期融資対応も、担当者はフットワーク軽く対応の意を示してくれました。やはり、担当者の力量と回答スピードは特に年商10億円規模までの中小零細企業にとっては重要となりますので、銀行員の力量を正確に測る尺度も大切だと感じています。

2.中途入社の社員教育システム構築を進める

これは、公共工事をメインに受注している建設業での話です。経営者の採用施策が実り、若手の幹部候補生を8月に採用できました。

このことを全社あげて、企業成長の契機と考え、「社員育成」を今までの「見て覚えろ!」スタイルからの脱却を図るべく、ホームページ内にも、育成プロセスや現在の指導内容をアップデートしながら投稿し、本気の育成をしている社風を作り上げていくというプロジェクトを行っています。

弊社の事業ドメインは
①経営計画の策定
②借入の最適化
③施策の実行支援

の3点ですが、社内の研修体系構築は明らかに事業ドメインから外れます。そのため、最適な県内企業を弊社の人脈の中からピックアップし、その企業にこの研修体系構築は担ってもらっています。

やはり、餅は餅屋であり、専門分野の課題を明確に判断し、専門家へ橋渡しすることも、財務コンサルタントの重要な役割であると再認識しています。

3.ホームページの作り変えによる集客強化

情報がアップデートしづらいホームページの刷新。予約システムや、会計のシステムの新規導入が課題であった医療法人が顧問先にあります。業歴が長く、地域の医療の最前線を担ってきたという信用度は計り知れません。しかし、老舗が故の技術面以外のキャッチアップは遅れていると言わざるを得ず、その更新のサポートを弊社が行っています。

設備資金も融資とリースの両面から検討したり、さしたる明確な理由も無く1行取引という現状でしたので、最適な銀行取引先と数(バンクフォーメーション)を作るべく、信頼できる銀行の担当者を引き合わせさせていただきました。

結論としては、今回の設備導入は小規模であるため自己資金を利用し、銀行とのしかるべき関係性は徐々に育んでいった上で、数年内に着手する可能性のある大規模なプロジェクトの際に、再度金融機関とは大きな交渉が始まることでしょう。

こちらの法人においても、最適な提案をし得る、且つ懇意のホームページ作成会社は無かったため、弊社でマッチングさせていただきました。

4.経営計画の修正作業と新規出店準備

教育に関連するサービス業でのケースです。4カ月ほど前には、大掛かりな資金調達を終えており、情勢と市場のニーズを冷静に見ながら、新規出店の可能性を数カ月探ってきました。

関係各所との一通りの交渉を終え、新規プロジェクトの方向性が見えてきました。ちなみに、いくつかの交渉の席には同席させていただきました。

社内リソースが不足していることは、経営者の方はきちんと認識されており、外注幹部社員としての役割にニーズを感じておられ、私自身も経営計画の実行支援というドメインの範疇でできる限りの対応をしています。

弊社のコンサルティングは一定の型はあるものの、事業ドメインをきちんと把握した上で、オーダーメイドで対応しています。

大手ハウスメーカーのような動きというよりも、地場の注文住宅をメインとする工務店の様なイメージです。こういった、顧問先企業毎のニーズは千差万別で、これに的確に柔軟に対応させていくことに少なからずやりがいと楽しみを感じています。

まとめ

「夏枯れ」と呼ばれる8月にあっても、ただ休養に充てて、英気を養うことに終始するのは、リソースが限られる年商10億円規模までの中小零細企業にとっては非常にもったいないことです。

外部環境と自社の状況を冷静に見つめて、この時期だからこそ取り組むべき項目をきちんと考えて、経営計画、できれば年間行動計画に落とし込んだ上で、目的意識を明確に過ごして欲しいと思います。

競合他社がゆっくりとしている間に、その差をじわじわ詰めて行く、はたまた突き放すチャンスの時期であるかも知れません。

いち財務コンサルタントとして、8月も最適なサポートができるように、行動量を減らすことなく動いて参ります。

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今回もお読みいただきありがとうございました。

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株式会社なかむらコンサルタンツ
代表取締役 中村徳秀

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