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85【意外と知らない!?銀行員が喜ぶこと(後編)】地方在住経営コンサルタントの思索

写真は母校岡山大学、学園祭の様子です。
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今回は前編よりも具体的に、どういう取引をしていけば、銀行が喜んでくれるのかについて書いて行きますね。

突然質問です。
銀行の三大業務を知っていますか?

答えは…

①預金

②為替

③融資

です。

この分類毎でそれぞれ説明していきます。

※できる範囲で、びびっと感じた項目はぜひ、銀行交渉のカードとして使ってみてください。

預金項目で喜んでくれること

①法人取引で毎月一定額積み立て預金をする。

➡返済をしていく力に疑問を持たれている時は、特に有効になります。銀行としてはざっくり言えば、通常の返済に積み立て分、加算して返済してもらっているような感覚をもってくれます。

②従業員の給与口座設定

➡今でこそ色合いは薄くなりましたが、従業員からの個人取引の拡大も銀行は狙っています。特に信用金庫さんは、マイカーローンや住宅ローンなどに繋げていきたい思惑があるので、喜んでくれます。

③売上入金の口座設定

➡一か所にまとめていることが多いと思います。「メジャーな都市銀行の方が取引先の信用があがるから、借入は無いけど都市銀行に設定している。」なんてことはありませんか?経営に余裕がある際は何の問題もありませんが、「ちゃんと売上はあるのか?」という疑問を、ちょっと無理して融資を出してくれている銀行ならば持つのが当然です。特に、信用金庫・信用組合という地域金融機関は預金取引を大切にします。できることなら、ざっくり融資シェアに合わせた比率で売上入金口座を分けて管理しましょう。

為替項目で喜んでくれること

※為替と聞いてよく分からない方もいると思います。単純に国内の振込、送金と思ってください。

①メインの支払い口座に設定する(ネットバンクは必須)
➡これは知っているようで知らない、いわずと知れた王道です。
銀行側は「入手金パイプの確保」なんて表現したりします。要は、事業の実態を把握しやすくなるという最大のメリットが銀行側にあります。融資のは出したけど資金のやり取りが別の銀行だと。「どんな取引してんの?本当にちゃんと事業してんの?」と疑われても仕方がありません。程度に差こそあれ、約40%の企業が粉飾しているというのが中小企業会計の不都合な真実ですので…。「要は資金の流れをできるだけ正確に把握したい!」と考えるのが銀行の本音であり思いです。

②公的支払い、経費の引き落とし口座に設定する

➡自動引き落としでも僅かながら銀行は手数料を得ています。ちりも積もれば・・・の精神は色濃く残っていると思います。

③関連会社のクレジットカードを作成

➡めんどくさくても付き合ってあげましょう。ノルマで苦しむ若手の銀行員を手なづける王道は「営業の数もの(クレジットカードやNISAなど)で本当に困ったら俺に言ってこい!」とあらかじめ伝えておくことです。信頼関係が一気に高まります。この前段階で「サボりたい時はお茶飲みに来い!」も結構グッとくるフレーズです。

融資項目で喜んでくれること

①保証協会付融資の比率を意図的に他行より高めに設定

➡銀行にとっては保証協会付融資(通称マル保融資)はリスクのほとんどない美味しい融資です。主力行に優先的に保証協会融資の利用(プロパーは当然出してもらった上で)をさせるのも手です。

②関連でコンサルティング会社がある場合は目的に合わせて利用する

➡かなり前になりますが、プライバシーマーク、ISOの取得。最近で言えば事業再構築補助金の申請、資本性劣後ローンの資料作成など、いわゆるめんどくさい資料作成をかなり高額な手数料がかかってしまいますが、意図的に相談し、頼むと親会社である銀行とはかなり親密になります。しかし、コンサル会社毎でできる業務範囲と、能力にかなり差がありますので、相談してみて相手の反応を見ながら慎重に判断してください。コンサル会社を関連で持っているのはたいてい第一地銀(地域トップ行)です。第二地銀や、信金の場合は、保険代理店や不動産会社やリース会社はたいていあるので、できる範囲で利用しましょう。

③融資先の紹介と業務斡旋の場合は協力する

➡いわゆるビジネスマッチングに協力してあげるのも手の一つです。本当にお客さんの役に立つかという視点ではなく、「紹介数」が支店の評価につながったりもするので、できるだけ協力してあげて、こちらから紹介を依頼する場合は、ダメ元でかなり高めの宿題を投げて、うまくいけばラッキーのイメージで利用すれば、営業代行会社としての機能を発揮してくれます。ちなみに私の知っているホームページ制作会社は、かなりの比率で銀行紹介の案件が入ってくるそうです。つまりハマる企業とそうでない企業があるということでしょう。融資金利以上の収益を得られるかは、銀行をどれだけ利用するかという意識にかかっていると思います。

まとめ

今回紹介した例はあくまで一部です。基本は、銀行員と「よくコミュニケーションを取る。」ことです。ひょっとしたら、思った以上に銀行はあなたの企業のために働いてくれるかも知れません。あくまで対等なビジネス相手として取引金融機関と密に話しながら事業発展に役立てて欲しいと思っております。

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今回もお読みいただきありがとうございました。

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株式会社なかむらコンサルタンツ

代表取締役 中村徳秀

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