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92【振り返りの重要性】地方在住経営コンサルタントの思索

写真は初詣の準備を済ませた私の地元の氏神様です。年末のお参りにて今年を振り返りました。
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はじめに


今年最後の投稿です。

何事も「振り返り」の習慣が大切ですね。子供の頃から「テストは必ず見直しなさい。」「間違った問題を振り返って、解き直しなさい。」なんて当たり前のように先生や親から言われていましたね。

しかしながら、不思議なもので、大人になると会社や属する組織や業界にルールが無ければ、たいした「振り返り」無く、大きな進歩も無くただ無為に日々は過ぎてしまいます。

特に人生の中の1年を振り返る年末には、立ち止まって過去を見直し、分析して未来に活かすことの大切さを思い出します。

年商10億円規模までの中小、零細企業における「振り返り」の大切さを改めて考えてみようと思います。もし良ければどうぞお付き合いください。

要はPDCAサイクルのCとAの一部

経営計画の大切さは口を酸っぱくして繰り返し何度もこのブログ内で唱えて参りました。

つまりは、PDCAサイクルのP。プラン=計画 ですよね。全てはこのPから経営の向上や改善は始まります。

ただ何となく、計画すれば良いというわけではありません。そこには、後から見ても分かるように、思考過程と根拠が明確でなくてはなりません。

経営学の伝統的フレームワークであるクロスSWOT分析を徹底して行い、特に経営資源が潤沢ではない、年商10億円規模までの中小、零細企業においては一点突破とも言える、積極戦略を明確化し、それに全社挙げて一丸となって取り組むことで業績は向上していきます。

「言うは易し。行うは難し。」ですが、年商10億円規模までの中小、零細企業がまずすべきPの部分のエッセンスを言えば、一点突破の積極戦略ということになります。

次に実行段階が=Dとなります。(詳細は次の段落で)

そしてそのDの結果を受けて、
次のC(チェック)=振り返り・検証・分析
A=結果分析を踏まえ、さらなる改善を加えた行動

というプロセスをきちんと記録に残して、現場との同意を得た上で行っていく一連の流れを愚直に繰り返しできるかどうかということが、年商10億円規模までの中小、零細企業においては正念場となります。ここで、CとAをおろそかにせず、このプロセス自体を仕組みやルールを社内に設定してしまうことも、重要と言えます。

できることなら7W3Hで考えよう

D=実行 のプロセスにおいて経営計画の中に以下の7W3Hの要素をできる限り多く織り込んだ状態で、行動計画を明文化すると施策の成功確率は飛躍的に向上します。言い換えるなら、絵に描いた餅を取る方法をあらかじめ詳細に仮説を立てて設定しようということです。

当然、うまくいくことばかりではないので、CとAのプロセスが存在しているということです。

7W3Hで行動計画(アクションプラン)は設定します。
WHAT・・・何を
WHO・・・誰が
WHEN・・・いつ
WHERE・・・どこにおいて
WHY・・・なぜ
WHOM・・・誰に(対して)
WHICH OR・・・どちらで(選択肢がある場合)

HOW TO・・・どうやって
HOW MANY・・・どれだけの量で
HOW  MUCH・・・いくら(予算)をかけて

ふわっと考えるのではなく、要素をできる限り細かく設定することで、実現の可能性と的確性が高まると言えます。

経営者の思いとして、「全体の事なんて考えないで、とにかく社員や現場スタッフは自らの仕事に集中してくれさえすればよい。」という考え方もあると思います。しかし、経営計画の全体像とアクションプランを社内で指し示すことで、経営者にとってもスタッフにとっても「やりきらねばならない!」という強い思いが生まれるのではないでしょうか。

乱暴な言い方をすれば、経営計画がなければ、経営者は責任を問われることは少ないでしょう。経営と所有が分離されていない権力と自由度が高い日本型中小企業の一般的なかたちであれば、尚更です。

しかし、ここで、自らを戒めるべく経営計画を明確に設定することから業績の向上は出発するというのは、現場でコンサルテーションをしていく中で原理原則と呼べるものであると感じています。

実例を挙げるとすれば

本当に計画すれば、実現可能性は飛躍的にUPします。2社事例を挙げます。

①とある建設業のお客様のケース
元請け工事受注の比率を目標値を設定し、段階的に引き上げて行くという積極戦略を設定しました。
これを上記の7W3Hでアクションプランを設定し、毎月財務資料を元に、行動を振り返ります。
すると設定した翌期から着実に目標値を達成するようになりました。経営者と幹部役員が明文化されたこの方針を意識することで、あるべき方向に進んでいくシンプルな実例であると感じます。

②とある製造業のお客様のケース
主力商品の販売ルートを、既存の先へのクロスセリングには需要自体の限界があるため、県外の新規販売を販売店との交渉役となる商社(パートナー)を数社絞り込み、商談プロセスを明確化し、経営者が自らを律して行動管理することで着実に販売ルートを新たに開拓してきました。そして、毎月プロセスの管理資料を作成し、振り返りを徹底することでコンスタントに結果を出し続けておられます。
その一連の動きの成功の噂を聞きつけた地元ラジオ局から取材が入り、私が車の運転中に県外への販売成功がニュースで流れてきて、心躍り、今年仕事において嬉しかった印象深いシーンの一つです。

まとめ

・中小企業経営という世界においても「振り返り」の重要性は変わらない。

・PDCAサイクルは経営計画の策定から始まる。Dは7W3Hで細かく設定すべきである。

・経営計画を社内で共有することで、スタッフは自らの業務に思いを込めることができ、計画値を達成しやすくなる。

・振り返りと分析となるPDCAのCとAを粘り強く繰り返すことが業績向上には必要であると言える。

※本年も少しずつブログを書いて参りましたが、100回も見えてきました。アウトプットは自らの知識の体系化にはうってつけですね。来年もルーティンとして無理せずコツコツと積上げて参ります。読んでいただいた全ての方々へ感謝申し上げます。ありがとうございました。

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今回もお読みいただきありがとうございました。

軽く読んで少しでも参考になる点あればぜひ「スキ」をお願いいたします。

少しでも共感いただける部分がありますように。

株式会社なかむらコンサルタンツ

代表取締役 中村徳秀

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nori.nakamuraconsul@gmail.com



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