見出し画像

133【銀行融資診断士®中級試験を受けてみた。】地方在住経営コンサルタントの思索

写真はこの資格の中級テキストです。この中に大切なノウハウが詰まっています。
ーーーーー


はじめに

何やら聞き慣れない名前の資格だと思います。
それもそのはず。昨年新設された資格で、中級はこの10月2日から試験の申し込みが可能になりました。

なかなかニッチな資格だと思いますが、その内容は侮ることなかれ。めちゃくちゃ実践的で、年商10億円規模までの中小零細企業の経営者にとっては生命線中の生命線である銀行融資の基礎知識をある面では、担当の金融機関職員さんを上回ってしまうほどの濃い内容です。

専用のテキストは体系立てて濃密且つすぐ使える実践的内容です。そのポイントをいくつかご紹介したいと思います。


えてして盲点:銀行と融資先の情報格差

まずは今回の前提条件的な話題を。「銀行と融資先の情報格差」。実はこれが中小企業の経営において重要な問題なのですが、その事実が隠れてしまっていることが多いと言えます。

みなさんは盲目的に、銀行員さんは優秀!と思っていませんでしょうか?おそらく、地方で言えば、地元のトップ行はエリートコースの一つとして羨望のまなざしが向けられ、県内トップ校を卒業し、みんなが知っている名前の大学を卒業し、長男なので地元に戻ってきて消去法で銀行へ就職!というコースは令和の今においても、一つのいにしえのパターンとして、きっと絶滅はしていないと考えられるからです。

何をお伝えしたいのかと言いますと、「盲目的に銀行員さんを信用することはやめてください!」ということです。

というのも、学習能力や知能がいくら高くても、銀行員さんは融資業務には長けているものの、それぞれの企業の分野においての知識はそれほど持っていないということです。反対から述べるならば、自社の情報を的確に銀行側へ伝達できなければ銀行側からの評価は財務数値以上に高くならない、ということです。

事業性評価という切り口で自社の経営を分析

以前のブログでも何回か触れましたが、銀行などの金融機関は融資先の企業が決算を迎えると、勘定科目明細や全ての別表を含めた決算書の一式をコピーして自社のシステムにデータを取り込みます。そして独自のシステムで、財務的な健康状態を判断します。

実は「毎年同じモノサシで正確に財務的な変化を診断している。」という事実をよく理解されていない経営者の方が多いのは事実です。

ただここで注意しなくてはならない点は、財務的な判断は隠したり、いじったりすることはできませんが、銀行側がその財務的診断の二次的な判断で行っている定性的な判断にも経営者は注目すべきと言えます。

その二次的な判断は経営者の資質や姿勢。その企業の経営戦略や戦術を明確化した経営計画を整備していることや、その運用状況などを総合的に判断されています。

このプロセスをきちんと体系的に判断し、その企業毎の定量以外の強みを理解した上でその情報を融資審査に役立てていこうという新機軸が「事業性評価」という考え方になります。

銀行融資診断士の学習で何を得られるのか?

企業側がきちんと金融機関側へ、自社の情報を正確に伝えていないことによる、「銀行からの言われるがままの取引」を是正していくための基本的な知識を得られるようになっています。

簡単に言えばこの資格は「企業と銀行の取引を円滑化させる専門家」の育成を狙いにしています。と私は理解しております。

不都合な真実と言いますか、銀行都合の横暴な取引になりがちな傾向の根底には中小企業経営者に本質的な問題点が存在します。

それは「会計リテラシーの欠落」です。

全ての経営者というわけではありませんが、勘定科目の意味すら分からない中での経営判断はあまりにも危険です。財務的な自社の客観的な数値を根拠に判断を積み上げていかなければ、遠からぬ未来にその経営者は致命的な経営判断をしてしまうことでしょう。

目に見えない分厚い信用力と潤沢な資産背景に恵まれた中小企業の方が圧倒的に少ないはずです。だからこそ、資金調達の生命線や、自社の企業活動を陰で下支えしてくれる金融機関との取引を現状よりも優れたものに改良していくたゆまぬ努力は多くの企業にとって必要なことではないでしょうか?

以下、得られる知識の一覧です。
融資の原理原則
銀行という組織の特徴
決算書の読み方
銀行(金融機関)が企業を評価するポイント
金融機関取引の基礎
円滑に融資を受けるために必要なこと
事業性評価について
銀行格付けのプロセス
対銀行資料の作成方法
融資実行後の管理手法 etc

一般社団法人 銀行融資診断士協会資料より

財務コンサルタントのみならず、税務のプロである税理士や、中小企業診断士の先生方、商工会、商工会議所などの指導員、金融機関職員など融資に関係する可能性のある全ての方々にプラスになる知識が詰まっています。

びびっと来れば受験をおススメします。費用以上の効果がきっと得られることでしょう。なぜならば、金融機関との適切な関係性による正しい取引になれば、多くの企業が今よりも、財務的な余力や、武器となる現金を多く得られるからです。

銀行側の論理的な考えを知り、体系的に学ぶことは自社の経営に役立てられる点も少なからず存在します。客観的に自社の財務数値を判断できれば、的を射た精緻な経営施策に取り組めることでしょう。経営者が財務的仮説力を付けることで企業は、置かれた市場で生き残り続ける可能性が飛躍的に向上すると私は考えています。

まとめ

・金融機関の審査方法や考え方を学べば、今よりも正確に的確に金融機関へ自社の情報を伝えられる。

・金融機関からの評価の向上は経営状態にプラスの効果がある。

・何よりも金融機関の目線での財務的判断の尺度を経営者が持つことで、言いなりではない適正な融資取引が生まれ、財務的な発展性が自社に生まれる。

ーーーーー
今回もお読みいただきありがとうございました。

軽く読んで少しでも参考になる点あればぜひ「スキ」をお願いいたします。

少しでも共感いただける部分がありますように。

もしフォローいただければ嬉しい限りです。

株式会社なかむらコンサルタンツ
代表取締役 中村徳秀

メッセージ、お問合わせはご遠慮なく個人facebook、もしくは下記メールアドレスまでお願いいたします。

nori.nakamuraconsul@gmail.com

https://www.facebook.com/norihide.nakamura.18





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?