64【企業実態把握の手段】地方在住経営コンサルタントの思索
写真は私が暮らす地元の氏神様です。
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今回は自社の実態把握のための方法について述べます。
己を知るという行為は勇気と根気の要る作業です。特に今までいわゆる自然体の「なんとなく経営」を続けてきた年商10億円規模までの中小、零細企業ならば尚更です。目の前の仕事をとにかく一生懸命こなしてきた結果、企業の今があるのですが、これから不安定で曖昧な要素だらけの掴みどころのない、VUCAの時代に変化順応しながら企業を存続させていくための基本となることが自社の実態把握です。
企業実態把握の勘所
経営計画の策定プロセスの一部そのものが、実態把握とも言うことができます。情報空間にあるものを言語化し、分類し整理する。その後、それら要素を組み立て直し、勝ち抜くための仮説を構築していく。
どうやっても、未来は仮説でしか見ることができません。しかしながら、仮説を精緻に根拠を明確に構築できさえすれば、業績を向上させていくための施策の成功確率は飛躍的に上昇するはずです。
自社の体力と現状を知るために3つの考え方があります。そのためには金融機関から企業を判断する尺度を利用します。なぜかと言いますと、「金融機関の支援が継続すればたいていの中小企業は存続し続けられる」という見えない原則が実は存在しているからです。
取引金融機関にどう判断されているのか?冷静に自社を分析します。当然、取引金融機関は融資が返済されるか?という角度で企業の状態を判断しています。成長していくか否かという切り口では見ていません。だからこそ、自社の財務面の実態を見定めた上で、その後どの分野にどう投資していくかという戦略をクロスSWOT分析で仮説を作り上げていくという順序になります。
上記の3つの算定作業に取り組み、想定の範囲(仮説)で財務格付を付与する作業(債務者モニタリング作業)のプロセスを決算期毎に自社へ転用し、実行すれば、かなりの戦力分析・実態把握ができます。
一人ないし二人のできる銀行員を情報を出来る限り開示してくれる味方に引き入れるべきですが、金融機関との良好な親和性ある関係を結べていなければ難しいことと思います。
銀行側からの情報と自社が提供する情報量にはどうしても不均衡が常に存在しています。対等な関係であるビジネスの世界でアンフェアのように感じませんか?笑
「総合的判断により今回の融資申し込みはお断りさせていただきます。」
という「謝絶」の際の定型句に情報の不均衡の全てが表れていますね。(ご経験された方は少ないと思われますが…。)
その情報の不均衡をできる限り是正することも財務を軸とした経営コンサルタントの役割です。
財務と非財務のバランスも大切
財務状態を把握した上で、非財務項目も含めた戦略の構築が王道です。
国の施策は実は合理的。使わない手はありません。国の施策が機能しているか否かという議論に時間を費やすのではなく、素直に活用してみることで必ず見えてくるものがあるはずです。私はそう考えます。なぜなら、論理立てて財務項目と非財務項目にもれなく、ダブりなく、自社の実態を分析している経営者さんは印象として全体の20%以下という印象だからです。(約17年間の経験則上)
今まで、自社の実態把握に取り組めていなかった経営者さんは、非財務4つの視点と財務面6つの指標を理解するところから始めていけば良いと考えます。
まずは取り組んでみることをお勧めします。
前提の数字の精度も大切
そもそもの決算の数字が正しいものでなくてはなりません。程度に差こそあれ中小企業の約40%弱が粉飾しているという現実があります。
前提となる数字が間違っていてはならないので、そもそもの勘定科目の設定から行うべきです。弊社は、信頼できる会計事務所に委ねています。餅は餅屋という発想です。つまり、経理体制の構築を依頼しています。一見地味なように感じられることと思いますが、経理体制をきちんと構築できれば企業としてのレベルは飛躍的に向上します。その体制構築こそが企業実態把握の力に直結しています。
そして、弊社は計画策定と施策の実行支援・効果検証というサポートを担い、それらに注力しています。
まとめ
今回は地味な内容だったと思います。中小企業経営者の方へ向けたメッセージではありますが、一般のビジネスマンにとっても己のこと、自らが所属する部署のこと、勤める企業全体を理解しようとすることは、今後のビジネスで成果を上げていくために、まず必要なことではないでしょうか。己のことを正確に把握、理解し体系立てて考えることができれば、使える武器をきっと見つけられることでしょう。少しでも今後のお役に立てれば幸いです。
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株式会社なかむらコンサルタンツ
代表取締役 中村徳秀
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