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【座談会】リニューアルされたZAIKOロゴには、たくさんの思いが込められています!

みなさん、ZAIKOのロゴが新しくなったことに気づいたでしょうか?

ZAIKOが電子チケット制ライブ配信をスタートして1年経ったのを機に、次のステップへ向けて2021年4月26日にリニューアルしたのです。

そして今回、そのリニューアルの舞台裏をみなさんに知ってもらいたくて座談会を企画してみました!
参加してくれたのは、ロゴのデザインを手がけたIN FOCUSのCEO井口忠正さん、アートディレクターの仲山慎哉さん、ZAIKOチームからマーケティンググループ部長の大野晃裕、ブランド戦略マネージャー舘龍太の4人。
すごく興味深い話が聞けましたよ!

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▲左から、IN FOCUSの仲山さん、井口さん、ZAIKOの舘、大野

ロゴに込められたビジョンとは

ZAIKO編集部:
まずはじめに、ロゴをリニューアルすることになったいきさつを教えてください。

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大野:
もともとZAIKOは2019年に電子チケットのプラットフォームとしてスタートしたのですが、2020年に入って新型コロナウイルスの影響でリアルイベントが減り、配信ライブが増えるなど、ライブの形がどんどん変わってきました。
僕たちも今の時代に存在する業界の課題をクリアするためにいろんなプロダクトを開発していて、ライブストリーミング、コンテンツビジネス、サブスクリプション、ファンコミュニティサービス、Eコマース、プロモーションなど、ライブやイベントにおけるエコシステムの構築を目指していたり、もはや「チケットの会社」という枠に収まらなくなってきています。そこで、リブランディングの一環としてロゴのデザインをリニューアルすることにしたんです。

ZAIKO編集部:
パートナーにIN FOCUSさんを選んだ理由は?

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舘:
社内のデザインチームで制作をスタートさせてしばらくしたころに「ガラッとイメージを変えるには、外のアイデアを入れた方がよいのではないか」と考えるようになりました。
外部のパートナーを探す上でのポイントは、ZAIKOはウェブサービスなのでまずはウェブのことが分かっていて、さらに映像などコンテンツのこともしっかり分かっていること。
以前ウェブのプロダクションで働いていたころに感じていたことですが、ウェブを専業でやっている人たちはコンテンツのことが分からなかったり、逆にコンテンツに強い人はウェブに弱かったりといったことがよくあったので、そのあたりのバランスやクオリティのよい会社をリサーチして、IN FOCUSさんに決めました。

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井口:
そう言ってもらえてうれしいですね。僕自身、グラフィックデザインからスタートして、独学で写真を撮り始め、アメリカでウェブの会社で働き、日本に帰国した後はウェブマガジンの制作に携わっていました。それらを統合できる会社を作りたいと思ってIN FOCUSを始めたので。こういう人たちと仕事がしたかったんです。

ZAIKO編集部:
おぉ……相思相愛。

井口:
コロナの影響によってライブの世界が次のフェーズに移っていく中でZAIKOの名前はよく挙がっていたので、現在の路線で大きくしていくのかなと思っていたのですが、お会いして話を聞くと多角的に拡大していくという考え方で。すごく惹かれました。
あと、実は大野さんとは以前からの知り合いだったんですよ。大野さんが以前『VICE』というメディアにいた頃に、『VICE』からのクリエイティブ制作の依頼をいただいていたり、大野さんと一緒に仕事をしていました。なので、その関係で声がかかったのかなと思ったのですが、舘さんはそのことは全然知らなかったそうで驚きました(笑)。

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仲山:
先ほど大野さんが言っていたような、ZAIKOのこれからのビジョンを舘さんが資料にしたものをいただいて、すごくしっかりまとめられていたので僕らもスタートしやすかったです。

舘:
先ほど大野が話した、クリエイターを支えるエコシステムとしての多角化に加えて、日本のマーケットへの最適化もビジョンの一つでした。ZAIKOという会社は、社員のおよそ半数が外国籍ということもあり、デザインも海外フレンドリーなものになりがちなので、日本のマーケットにどうブランドとしてコミュニケーションしていくか。その二軸ですね。

多くの意味が忍ばされたデザイン

ZAIKO編集部:
ビジョンを、どうデザインに落とし込んでいったのかという話を聞かせてください。

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大野:
IN FOCUSさんからのご提案の中に「多様な線と図形の集合体」というコンセプトがあり、これがZAIKOという存在にすごくマッチしました。先ほど舘が言っていたように社内の人間も多様で、ZAIKOを使ってくれているイベントの主催者やアーティストも音楽や演劇、アートやセミナーといったエンタメだけにとどまらない多様さがあり、さらにその先にいるユーザーも世界中のあらゆる国籍や趣向を持った人々がいたりします。

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ZAIKO編集部:
立体的なデザインも印象的です。

井口:
最初、舘さんから話を聞いたとき「奥行き」を感じたんです。僕のイメージですけど、昨年あたり一気に名前が知られるようになったZAIKOはこのまま事業を大きくしていくのかと思ったら、いろんなサービスを始めてもっとファンに直接届くような、ZAIKOを身近に感じてもらえるような存在になりたいという。その価値観に「奥行き」を感じたので、それを表現したいというのはありましたね。
二次元の構造はX軸とY軸からなりますが、そこにZ軸が加わって三次元になる。ZはZAIKOのZ……ロゴを作るときって、そういう言葉遊びとか、偶然とかいうものを絶対に大事にしないといけない。それが揺るぎない価値につながっていく。複数のコンセプトをレイヤー構造にしていくことで、これしかないなと思ってもらえる理由になっていくんです。

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ZAIKO編集部:
デザインのコンセプトについて解説した資料にも、主催者とファンをつなぐ矢印がZになっている絵が載っていましたね。

仲山:
多様な図形で構成するデザイン自体は、手法としては珍しいものではないのですが、そこにZAIKOさんが持つ特有の要素を入れ込むことでアイデンティティが生まれるのだと思います。

舘:
個人的にはグラデーション使いに「おぉ!」と思いました。ウェブって基本的に平面的なデザインが多いのでグラデーションは珍しいのと、ZAIKOが今後、日本の市場に浸透してどう変革を起こせるかという未知数さもグラデーションという表現に合っているなと感じてグッときましたよ。

仲山:
デジタルの世界で成長していくZAIKOさんのイメージに合うのではと思い、提案させていただきました。グラデーションって、昔はモニターのスペックやアプリケーションの機能的に敬遠されがちでしたけど、いろいろなもののスペックが上がってきて、ちゃんと生かせる時代になりました。
また、今回はロゴのリニューアルだけでなくVI(ビジュアルアイデンティティ:視覚的な要素に統一性を持たせる戦略)全般を作るというオーダーだったので、僕らだけで完結させるのではなく、ZAIKO内部のクリエイティブチームの人たちとも一緒に制作が進められるように、ベースとなるグリッドを作りました。

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井口:
このグリッドに沿って色を塗ることで、ZAIKOロゴと統一性のある文字や図形が作れるようにしてあるんですよ。

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ZAIKO編集部:
色味も独特なのでぶれない統一感がありますね。

井口:
色は、さまざまなタイプのものを提案した中で選ばれたのが近似色だったんですね。これも何か意味があるのかなと思っていて。多様性という話でいくとカラフルなものになりそうなところですけど、一方で「ファン」というものを色で表すとこういう色味になるのかなと。
グリッドをベースとした図案の集合体と、この色遣いはZAIKOだと連想させられるくらい、そこまで定着させられれば、それがアイデンティティと呼べるものなんだと思います。

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IN FOCUS
ウェブ、映像、グラフィック、写真といったデジタルコンテンツに求められる分野を中心としたデザインスタジオ。各分野を多面的に横断し、クライアントの目的に焦点を合わせた制作を行う。
https://www.in-focus.co.jp/