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人に会って話を聞く

11月初頭から始まったベルリンのロックダウン・ライト。日常生活を送る上で特に変化も感じなかったし、街の様子にも首を傾げるようなことが多かった。それについては「ロックダウン(ライト)下の週末」でも書いているので興味のある方は一読してみてほしい。

そんな肌感覚の中、予想通り感染者数に歯止めは効かず、今週に入ってからは1日あたりの死亡者数もとうとう500を超えるようになった。

まだ本格的な冬が始まったばかりだ。おまけにクリスマスや年末がまだ後ろに控えている。放っておけば例年通りお祭り騒ぎになるのは目に見えている。この後に及んでも、まだまだ他人事で済ませてしまう人が多いからだ。

そのいい例が、まだ「コロナ対策反対デモ」なるものがドイツ各地で計画されていることだろう。特に今週末12日に予定されているドレスデンやテューリンゲン州のデモに至っては理解の範疇を超えている。ホットスポットやその周辺でなぜ敢えて数千人規模のデモをしようとするのか。

もちろん州政府はデモを許可していないが、それでも強行しようと集まる人々が出ることはほぼ間違いない。

このクリスマス前のタイミングでベルリン市民に話を聞いてみたい、ふとそんな風に思い空き時間を使ってインタビューしてみることにしたのだ。

だがしかし。ひとりでカメラ片手に街中にトコトコ出かけて行って、「すみません、ちょっとお時間よろしいでしょうか。」と言って「いいですよ、なんですか。」と足を止めて答えてくれる人というのはなかなかいないものだ。

5人くらいに立て続けに断れるとだんだんと心が折れてくる。そもそもひとりでやるのがよくないのだろう。仕事で街頭インタビューをするときは少なくとも2人から3人くらいのチームで動くことが多い。「通常であれば」カメラマン、音声、コーディネーター(私)という感じである。

私が道ゆく人に声を掛け、カメラマンがその後ろで構えている、というわけ。後ろにカメラチームが控えていると、それほど心は折れない。いや、5組くらいのインタビューを撮るのに(必要な答えを得るのに)数時間掛かる、なんていうこともザラにあるのだ。

ひとりで道や広場をウロウロしていると、1時間も保たないのだから困ったものである。寒さも手伝って30分くらいが今のところは楽しく感じる限度で30分で1組あるいは1人、答えてもらえたらそこで撤収する、というのをすでに3回くらい経験した。

今日は偶然、行く先々でテレビカメラを持ったカメラチームと出会した。みな、考えることは同じなのだろうな。とにかく場数を踏んでサクサク色んなテーマで取材ができるようになるといいな、と思ったり。

サポートは今後の取材費や本の制作費などに当てさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします!