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ロックダウン(ライト)下の週末

ベルリン、11月8日。ああ、そうか明日9日はベルリンの壁が崩壊した日。

それも少しはこの人出に関係しているのだろうか。記念日に合わせてベルリンを訪れる人が少しは増えているのかもしれない。

高いところに登りたくなり、久しぶりに壁公園を目指して日の傾きつつある午後3時頃に家を出て散歩に行くことにした。この時間になると高いところに登らないと太陽を拝めないからというのもその理由だ。気分転換に、とにかく視界が開けた場所に立ちたくなったのだ。

途中でフリーマーケットの側を通り過ぎたが、そこも人でごった返していた。今日は天気もいいし、日が出ているので空気が冷たくても歩いていると体がポカポカと温まってくる。まさに散歩日和の日曜日。

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そう言えば、去年の今頃も晴天だったよなぁ。11月でも晴れるとやはり気持ちがいい。

来週は曇天続きの予報なので当分拝めないであろう太陽の光を享受しようとしたんだろうか。どこもかしこも人人人。

通りを歩くほとんどの人はマスクをしていないし、通り過ぎたいくつかの公園でもそれは同じだった。親子連れで賑わっている公園。普段通りの風景がそこにはあった。

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誰しも頭ではおそらく理解しているのだろう。

ロックダウン中だし、感染者数も日に日に増加している。
(でも、私たちは大丈夫。コロナにはかからない。)

現実は厳しい。でも、その厳しい現実を直視して認めるのはさらに難しい。

だから、多くの人々は平常心を装って、秋晴れの気持ちの良い日曜日をできるだけ普段通りに演出しようと努力しているのだろう。

大丈夫。大したことない。いつか終わることだし。この状態が永遠に続くわけではないのだから。

出来る限り現実逃避をしてなんとか心の平静を保とうとしているのだろうか。その気持ちはよくわかる。

ただ、永遠に続くわけではないからこそ、この先数ヶ月くらいもう少し我慢できないのかなぁ、と正直思ってしまう。今、市民全員が少し普段の日常生活を送るのを諦めるだけで恐らく(これが曲者)は感染者数の爆発的な増加を抑え込むことは可能なんじゃないかと思う。まだ今のうちなら。

隣国フランスやチェコのレベルになると、抑え込むことができなくなってしまうかもしれない。私は専門家ではないのでその辺のラインがどこにあるのかまではよくわからない。ただ、今のドイツの状況であればまだなんとかなるような気がするだけなのだ。

ただ、今日のような状態が週末ごとに繰り返され、ライプチヒでのデモのような状態が繰り返され続けるのであれば話は別だ。それに来月はクリスマスに年越しを迎えるタイミングだ。

多くの人が少しの懐疑心と良心の呵責を抱えながらも集まってパーティーを始めるかもしれない。その結果がどうなるかは言わずもがな。

ロックダウンライトの次はそれこそ、ロックダウンエキストラとか、ロックダウンゼロ(限界まで挑戦という意味での)が必要になるのでは…

快晴の日曜日の午後、近所を散歩しながらそんなことばかり考えていた。やっぱりNCヘッドフォンをしながら散歩はしない方がいいのかな。




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