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面接不足から2度の面接まで

友人と2月の初旬に会ったときに「面接不足」を感じたのが履歴書を20年ぶりに更新するきっかけだったように思う。その更新した履歴書を近所の市立図書館やゲーテ・インスティトゥート、シャリテ病院、診療所、難民受け入れ施設などに送ったところ、結局面接に呼ばれたのはテーゲルの難民施設のみだった。それも別団体からそれぞれ時間を置いて1度ずつ。

縁があるかないかというのはここまではっきりと目に見えるものなのだな、というくらいテーゲルには2度も足を運ぶことになった。1度目の面接は一時帰国が恐らくは原因でお祈りメールが届き、2度目に関しては1ヶ月間返事が来なかった間に帰国を決めたことにしてなんとか採用に漕ぎ着けた。

一時帰国の問題以前に2度目は面接の前に、すでに4時間も実習するようなセッティングになっていたので、1度目とは雇用側の考え方が全く違っていたのである。どちらかといえば2度目の方は既にほぼ採用を考えているが、そちらは実際に現場に入ってみてどうだったのか、という空気が濃厚だったからだ。

体力に自信がないので24時間3シフト制というところが最後まで決断のネックになったが一時帰国の7週間について認めてくれるような雇用主もそうそう見つからないだろう、ということでGoサインを出した。正直、迷っているような余裕もそろそろなくなりつつあったのだ。このギリギリの感じ、2001年にモスクワからベルリンに戻って半年間何もできなかったときと酷似している。あのときもあまり考えずに知り合いから聞いた求人先に応募して採用されたからだ。それで突然、経験なしで撮影の世界に飛び込むことになった。

今回も突然、これまでのメディア業界とは全く違う業種での仕事である。1度目の面接官には「なぜこれまでのメディアの仕事から急に社会福祉の分野で働こうと思ったのですか?」と尋ねられた。しかし今回の人事担当者の質問は「今日、実際に現場に入ってみた感想はどうでしたか?」というものだった。これまで何をしてきたか、というよりも実際やってみてどうだったのか、という具体的な質問だったので非常に好感度が高かった。人事担当者の経歴もLinkedInで見つけたのだが学歴がメディア・コミュニケーションとなっていたので初めからどこか親近感を持っていた。面白い偶然だと思う。

「実際にどう感じたか」というのは、初日の4時間だけでは正直なところよくわからない。ただ、この機会があるのとないのとでは大違いだと思う。よくわからない抽象的な話をするのではなく、実際に現場に入ってもらう、というやり方には感心させられた。というわけで、来月中旬からはこれまでの生活リズムをガラッと変える必要がありそうだ。どうなることやら。まだ3週間ほどあるので語彙リストでも作っておこうかな。

ロシア語の会話授業がこんなところで役に立つとは。やはり好きなことや興味のあることは時間のあるうちにどんどんやっておくといいのだろう。


*タイトル写真は2001年のバイブルだった医療用語集







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