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炎天下のベルリンと気になる児童書

先週のツイッターでは「ドイツ、今年の夏は終わったんですか?」なんていう投稿をちらほら見かけたが、そんな素振りは微塵も感じさせないベルリン。

今日も湿気が高く、早足で歩くと汗が噴き出るような暑さだった。日本の夏に近いようなじっとり湿った空気。ここ数日は夏の欧州のイメージである「ドライなカラッとした夏晴れ」の方が珍しいくらいだ。

こんな日こそ、郊外の湖に出かけて涼を取りたところなのだが、こういう日に限ってなぜかベルリンの街中をバタバタと駆けずり回っていることが多い。皮肉なものである。

それでもまだ朝のうちは涼しかったので、友人と朝カフェをした。場所は「フンボルトフォーラム」のビストロだ。博物館の開館時間に合わせ、朝の10時から営業している。朝一のタイミングでコーヒーとチョコクロワッサンを頼み、バロック調のファサードに囲まれた中庭で近況報告をする。

フンボルトフォーラムは入り口をくぐるたびに、なぜかテンションが上がるので「ここで働きたいなぁ」という安易な希望を抱いてしまう。ドイツは専門性が高いため、そう簡単には博物館の施設で働けないことは百も承知だ。

「博物館学」「カルチャーマネージメント」「アーカイブデータ処理経験者」など、とにかく博物館に必要な知識が求められるのだ。当たり前のことなんだけれど。

自分のこれまでの職歴が認められるような職種がないか、募集要項を見てみるがなかなか厳しそうである。ドイツで履歴書を送ったことが数えるほどしかないので、20年ぶりくらいに履歴書を送ってみる価値はあるかもしれない。

なんてことを暑さでぼーっとした頭で考える。こんなことを考えるのも、恐らくは暑すぎるせいだろう。確かカミュの「異邦人」にもそんな場面があったような。

「太陽のせい」

朝カフェの後、子供たちのお昼用にスーパーでお気に入りの冷凍ピザを買って慌てて帰宅。ピザをオーブンで焼いて、今度はフィジオセラピーのところへ急ぎ足で向かう。向かった先では、また筋トレメニューの確認などで汗が噴き出る。とにかくクーラーがないので、どこもかしこも暑すぎるのだ。

帰宅し、我慢できずシャワーを浴びて一息着いたら、今度は娘と大型書店へ。ギムナジウムの教科書を買いに行くためだ。ギムナジウム進学専用コーナーに山積みか、と淡い期待を抱いていたが、やはりそこはドイツ。どれも店頭にはなく取り寄せになった。

せっかくなので、本を読みたがらない息子のために娘お勧めの本を購入した。その名も「ユリウス・シマウマ」(Julius Zebra)である。

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表紙を見る限り、かなりふざけた本のようだ。これだったら、息子も手に取るだろう。3巻まで出ているようなので、読み進めてくれるといいな。

ドイツの小学生に人気の本だが、このシマウマのように動物絡みのストーリーが多い気がする。カンガルーの本(Die Känguru-Chroniken)も確か人気だったような。

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こちらは自分でも手にとって見たい本かもしれない。娘曰く、こちらは弟にはちょっとまだ難しすぎるのだとか。確かに、娘が高学年の時に本好きのクラスメートが本の紹介コーナーで一生懸命説明してくれていたような記憶がある。

ドイツ語の語彙を増やそうと、ドイツ語学習コーナーも覗いて見たがこちらもお目当ての本がなくてがっかりした。正直、どの本だったのかよく覚えていなかった。友人に教えてもらったの、なんていう本だったけ。

あった、これだ。

Johannes Schumann, Schwierige Wörter. Übungen zu Verben, Nomen und Adjektiven, München 2001

今日行った書店には古い本なので棚にはなかった。見ているところはあってたわけだ。アマゾンで検索すると、中古しか出てこなかった。そうなのか。娘の教科書をピックアップに行く際にもう一度これのリメイク版に近いものが出ていないか確認してみようと思う。


タイトルイラスト:chan_eton



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