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ひとりベルリン映画祭(ベルリナーレ)

「ブレードランナー2049」を観たのを皮切りに、ひとりベルリン映画祭(ベルリナーレ)の幕が開けてしまった。

要は、皆が寝静まってからひとりで映画を観る、ということを2日前から何となく始めてしまったというわけ。

例年ならベルリン市内の会場になっている映画館に子供たちが小学校に行っている午前中から昼間の上映か、深夜上映に寝ぼけ眼を擦りながら足を運んでいるところだ。

ほんとロックダウン中に自宅でできることといえば限られてくる。思いつくのは映画鑑賞か読書にnoteやブログを書く、ピアノの練習くらいだろうか。

どれもひとりで集中してやりたくなることが中心なので、こんなことばかりしているとどんどん心情的に孤立していくような気がしないでもない。

さて、前置きが長くなってしまったが、昨晩は昨年末に友人に薦められていた「透明人間」をやっと観ることができた。

この映画、まだ観ていない人に言っておきたいことがひとつある。それはトレーラーを見るべからず。この一言に尽きる。

私の場合、残念ながら予告編を見てしまったがために、この映画の持つ本来の怖さのようなものが間違いなく半減してしまった。

ストーリー展開も予告編でほぼ把握してしまったし、最後まで予想外の展開にならず非常にモヤモヤとしたエンディングを迎えてしまった。

まず、見えないからと言って何でもあり、みたいな描写が個人的にはToo muchだった。うまく行っていない男女の関係性の描き方もどこかステレオタイプというか、意外性が見つからなかった。加害者である男性と被害者である女性、という意味で。

最後のシーンで主人公が晴々とした顔で階段を上がってくる、という場面があるのだけれど、私は観ていて全くスッキリしなかったし、どちらかと言えば違和感のようなものを感じてしまった。

「そうじゃないんだよなぁ。」

結局、あのエンディングだとあなたも同じ穴のムジナではないのか、そんな風にすら思ってしまったからだ。

これ以上はネタバレになるので書けないのだが、とにかくありきたりの展開に結構がっかりさせられてしまった、というのが正直な感想である。

「自分だったらどうしただろう?」

そもそも、あの住まいの構えからして最初から願い下げだと思うので想像すらできない。ああ、そうだ。作り込まれすぎていて現実味がないのが共感できなかった原因なのだろう。

それより、ナヴァルニィの生き様の方が何倍も共感できるというか。ここで彼の名前を挙げる必要性はほぼないのだろうけれど。

透明人間⭐️⭐️⭐️

*タイトル画像はベルリン映画祭のプレスサイトからお借りしています


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