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おもちゃで人の可能性を広げたい、おもちゃ作家のしょうちゃん

逗子のお隣、横浜市金沢区六浦に住んでいるおもちゃ作家のしょうちゃんこと庄野紀明さん。
1950年生まれ、関西育ちのしょうちゃんが、なぜ、おもちゃ作家として活動しているのか。それは前職を早期退職したのが、きっかけだった。

高校まで関西で育ち、飛行機のメカニック職に就職してからは全国を点々とする生活を約30年間送っていた。

2001年に早期退職したしょうちゃんはしばらくフラフラしていたところ、知り合いから「おもちゃの勉強をしてみないか?」と言われた。
全国のおもちゃ博物館に足を運んだり、おもちゃ作家さんとの出会いを通じて、世界中のおもちゃの知識からおもちゃが子供に与える影響など、どんどんおもちゃの魅力にハマっていった。

おもちゃはただ遊ぶ道具ではない

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おもちゃと聞くと子供が遊ぶ道具だが、実はおもちゃには他の魅力があることに気づいたしょうちゃん。
しょうちゃんのおもちゃの特徴は模型のように実物を模写するのではなく、自分の感性を軸に自由にデザインし、どんな人でも簡単に遊べるユニバーサルデザインを意識して作成している。
ユニバーサルデザインのおもちゃを持って、神奈川県内で開催されるアートフェスティバルなどに参加し、子供たちに自作のおもちゃを「遊び展示」している。

あるおもちゃ図書館にボランティアで行ったときの出来事。色々な子供が参加しており、しょうちゃんのおもちゃで遊んでいました。
その子供たちの中にヘルパーさんと来ている女の子がいた。手も足も動かさない女の子で、おもちゃ図書館に来てもそのままマットに横になっているだけだった。ボランティア活動をして、1年くらいたったある日、その女の子の前に猫のおもちゃを置いてみた。
木で猫の形を作り、猫の目の部分はユラユラと動く仕組みの猫のおもちゃだった。
いつも寝たきりの女の子は手を持ち上げて、猫のおもちゃの目を押した。

その姿を見たしょうちゃんは
【おもちゃには人の力を引き出し、人を変える力がある。
人の生涯を変えることが出来るおもちゃを作りたいと思った。】

おもちゃでアートを表現したい

横浜市金沢区海の公園の会議室でおもちゃ展をしないかと知り合いに声掛けられたのが、きっかけで小さなおもちゃ展を定期的に開催するようになった。
この海の公園でのおもちゃ展を皮切りに様々な県内のイベントに参加するようになった。

特に9年前に参加した横浜開港際では1日500~1000人くらいが来場し、おもちゃ作家としての活動に自信を持つようになった。

おもちゃ作家として様々なイベントに参加することで、今まで出会わなかったような人たちとの出会いもしょうちゃんの作家活動に影響を与えた。

今まではおもちゃの動きに注目した作家活動をしていたが、
Asaba Art Square(金沢区金沢町のアートギャラリー)や丹沢アートフェスでの出会いによって、アート的なデザインなどにも興味を持つようになった。

版画家、絵本作家、など様々な種類の作家活動をしている人や、プロの作家だけでなく趣味で人形作成しているおばあちゃん、農業に従事しながら木の作品を作る方など。。。

アートに興味を持つようになってからは、おもちゃ×アートでのコラボ展示もするようになった。
逗子ではおなじみの段ボールアーティストの山口さんとも通じている、同じくダンボールアーティストの田村一花さんともコラボ展示を行った。

なぜ、逗子アートフェスティバル(ZAF)に参加したのか?

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しょうちゃんは今年(2021年)からZAFに参加。
実は、ZAFが開催された2014年からその存在を知っていた。
以前からZAFを知っていたのに、なぜ、今年参加しようと思ったのか。

しょうちゃんのおもちゃ作品の中にオブジェットプラレールという作品がある。
皆さんご存知のようにプラレールはレールを引くためには広い場所が必要。
今までのしょうちゃんの展示活動では室内のブースで展示することが多く、なかなかオブジェットプラレールを展示する機会がなかった。

今年の展示活動について考えていたときに、
「逗子海岸でレールを100mくらい引いて長いプラレール展示ができたら楽しそう」
と思いついた。

しかし、逗子海岸での実現に向けて色々調べてみた結果、逗子海岸で実施するのは難しいことが分かった。
逗子での実施について調べていく中で逗子アートフェスティバルが今年も開催されることを知った。
「逗子アートフェスティバルに参加し、オブジェットプラレール展示を実現させよう」

オブジェットプラレールとは?

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それでは、オブジェットプラレールとはどんな作品なのか?
実は作品で使われるプラレールは逗子にお住まいの方からいらなくなったプラレールを譲ってもらい、作品にしている。

動かないプラレールは修理し、色も自由にアレンジし、プラレールの機体を塗り替えた。
さらに、京急ストア(スーパーマーケット)でしか売っていない牛乳パックを走るようにアレンジしたり、通常のプラレールの倍のスピードで走るように改造した。

おもちゃの固定観念にとらわれるのではなく、身近な素材やいらなくなったおもちゃを元に、また新しい命をおもちゃに吹き込む。

【自由な発想の遊びができることをプラレールで表現したい】

しょうちゃんのおもちゃの前ではみんなが子供のように純粋に遊べる。
本来なら、自分が持っているプラレールももってきてもらい、自由に走らせたいと考えていたが、今回は、新型コロナウィルス感染症対策のため、しょうちゃんが走らせる。

展示情報

日時 : 10/17(日)・11/3(水祝) 10:00∼16:00 (雨天中止の場合があります)
場所 : 池田通り明治安田生命 駐車場(逗子1-8-17)

日時:10/27(水)11:00~15:00
場所:もりさんち (沼間3-1-3)

日時 : 11/13(土)・14(日) 10:00∼16:00 (雨天中止の場合があります)
場所 : 逗子文化プラザ 市民交流センターフェスティバルパーク

ZAFで今後やってみたいこと

様々なエリアでイベント展示してきたしょうちゃんが言うには、逗子の人、特に大人の反応が面白くて逗子での展示活動はしょうちゃん自身も楽しんで活動している。
逗子の大人は子供と同じように目を輝かせて、しょうちゃんのおもちゃを楽しんでくれる。
だから、ZAFだけでなく、逗子では継続しておもちゃの展示活動を積極的に行いたいと考えてるそうだ。

今年はうまくアイデアがまとまらなったのだが、来年は是非プレシャスプラスチック(海洋プラスチック)をプラスチックに活かして、環境問題×おもちゃ×アートを表現してみたい。

おもちゃは可能性を秘めている

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以前、りかちゃん人形がチェアスキー(車椅子のスキー競技)をしているおもちゃを展示していたときに一組の親子と出会った。
お子さんは車椅子に乗っていた。
りかちゃんがチェアスキーをしているのを見たお子さんは、
「あっ、私でもスキーができるんだ!」
といった。
この言葉に対して親御さんは
「じゃあ、今度チェアスキーを見に行こうか」
と返した。

来年開催される北京オリンピックでもチェアスキーが競技としてあるため、
また、チェアスキーをやってるおもちゃ作品を作成したいと考えている。

おもちゃを通して、障害があっても誰でもチャレンジできることを発信したい。
しょうちゃんのおもちゃにはどんな人でも受け入れてくれるデザイン(仕掛け)に、アート(自由な発想)で表現。
多様性とインクルーシブ。これからの世界を表すしょうちゃんの作家活動を是非、ZAFで見てみよう。

インタビュアー/ライティング/撮影:嶺真璃奈

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