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Mita_Yonda_5 『エターナルズ』と『Mr.ノーバディー』

今回はアマプラレンタルで二本立てです。ネタバレ気味なのでお気をつけて。

Mita_『エターナルズ』 クロエ・ジャオ

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作りとしてはほとんど『アヴェンジャーズ』の一作目と一緒なんですが、『アヴェンジャーズ』の方は一応それぞれのキャラクターに先行する作品があった上で結集するというドラマがあったり、先行作品を観てなくてもなんとなく関係性等を想像する余地があるところが作品に奥行きを与えていたのに対して、本作は登場キャラクターが多いのに全員初お目見えで、二時間半の長尺を使ってそれぞれの人となりや関係性を紹介してくれるんですが、まあ、そんなのずっと見せられても飽きますよね。そんないまいちキャラ立ちしないヒーローたちの内ゲバを観せられてもなあ、という印象で消化不良でした。

ミッド・エンド? で仄めかされるキット・ハリントンのブラック・ナイトは面白そうだし、これからのマーベル作品の広がりには必要な作品だったんだろうなとは感じましたが、そのための我慢の時間として二時間半はちょっと苦痛。

マーベル信者なら。

Mita_『Mrノーバディ』 イリヤ・ナイシュラー

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こちらはこちらで『ジョン・ウィック』とほとんど一緒で、なぜなら脚本家が一緒だからなのですが、『ジョン・ウィック』の方は犬を殺されたり、愛車を盗まれたりと主人公の怒りに一応の理由が与えられているのに対して、本作は暴力の発露の動機になるものがそもそも主人公の勘違いで、観賞後に冷静になって考えると何もかもが主人公のせいなので、『ジョン・ウィック』よりは『フォーリング・ダウン』(93)に近い不条理さを感じるんだけど、

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鑑賞中はアクションの派手さにやられてついつい主人公に感情移入してしまっているのが怖い。

ある種反ポリコレの権化のような作品で、主人公が戦場で始末屋として鳴らした帰還兵なのにも関わらず、代わり映えのしない日常に不満を抱えているのも、妻との関係もうまくいっていない事実上のインセルっぽく描かれてるのも怖い。

主要人物もそうなんだけど、女性キャストの使い方はさらに輪をかけて記号めいていて、母親になったことで性交渉に応じない妻、無条件に愛らしい長女、女性だからという理由で主人公に引き金を引くことを躊躇わせる強盗などなど、それぞれが物語の歯車でしかなく、その歯車もカタルシスのために暴力に否応なく薙ぎ倒されていく。

エンターテイメントの矛先がどこに向いているのかを考えさせられる作品。

エンターテイメントの矛先について考えたいのであれば

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