見出し画像

メモ6(主にcloudの感想)

黒沢清のcloud観た。
前半は憎悪の話だった。
後半はコミュニケーションの話だと感じた。

押井守はイノセンス(2004)でバトーに「談判破裂して暴力の出る幕だ」と言わせたが、それから20年を経て社会からは談判、つまり話し合う機会が失われたのだと感じた。
わたしたちは「ソーシャルメディア」でそれぞれに好き勝手なこと言って、それで話し合ったような気になって、自分勝手に絶望しては誰か(あるいはより大きなものに括られた何か)を憎悪するようになった。

憎悪の先に対話は成立し得ない。

cloudでは誰にも話し合う機会が与えられない。
憎悪が直接暴力を誘発する。
暴力のやり取りの中にだけ確かなコミュニケーションが存在している。

ところで、雲梯ですごいアクロバティックな体操してるお爺さんを見た。たぶん組織の人間だと思う。

諸事情によりトマト缶を使った料理ばかりしている。トマト缶は偉大だが毎食はきつい。

メモとか言うと思考が深化しなくてよくない。

追記

気付いたら知り合いが死んでいた。
去年の11月にやり取りの途中でめんどくさくなってDMを既読スルーしたのが最後だった。
もう誰かが死んでも、昔みたいになんでだよとか、馬鹿とかあまり思わなくなったけど、ちょっと引くレベルの下ネタしか喋らないくせに、行間から滲みでる知識量と絶え間ない思索に裏打ちされたあなたの知性が羨ましかったよ。
榎本櫻湖、遅くなったけどさようなら。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集