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ふりかえる

後悔と呼ぶほどじゃないが会話の中で「〜の時はよかったなぁ」「〜だったときに戻れたら」と話すことがある。
日常会話程度のことなので真にうける必要はないのかもしれないが、僕は自意識がちょっと人より強くて考え過ぎる性格ゆえに些細なことも検問に引っかかる。
言ってもしょうがないことだと分かっていながらついつい出てくる話題。
社会人になってからこういう話題は増えた。

僕は社会人になってから一人暮らしを始めた。
一人暮らしは自由に過ごすことが出来たが仕事や人間関係の難しさ、ストレスは感じていた。
「学生の時は縛りがなくてよかったし楽しかったよなぁ」

僕は2年前に結婚して共働きで生活している。家事も奥さんには敵わないがやっている。
社会人になってから飲みに行く機会や人間関係も多様になって遊びに行くことも多くなったが結婚しているとそれらをセーブする必要があった。友人となかなか時間が合わずに少し疎遠を感じる。
「独身の頃はその日に決めて遊んでたりしてたのになぁ」

そして今、もう少しで新しい生命を授かる。
初めての経験ばかりで戸惑いを覚えながら僕はうろたえている。奥さんの方が大変なのは言うまでもない。
ただ身体のことを考えると外出は控えめになってきた。

遡ってみるとこんな感じかなと思う。
たらればを言い出したらキリがないし、あの頃は〜なんて話は過去の自分を美化して現在を直視出来てないんじゃないか?と思う。
言うことが悪いんじゃない、そればかり言うのがダサいってことだ。
そうじゃないと僕は和田アキコにもケンカを売ることになる。

その点僕の奥さんはすごい。
もし過去に戻れるなら?という話を何度かしたことがあるのだがいつ聞いても
「今が1番いいかな」
まさに今を生きる女だ。今、目の前を見ている。

今を大切にするために過去を振り返ることはしたっていいと思う。
どの時期も1つとして同じときはないし、悪いことばかりじゃない。
学生の時は沢山の同志に出会えたし、働きだしてからは人間関係が広がった。趣味も沢山出来た。
結婚してからは心が落ち着いてきた。

きっと子どもが生まれたらもっと壮絶な人生になっていくだろう。上等だ。

前を向いて未来を見据えていきたい。

僕は子どもが手を離れた後に奥さんと2人で旅行に出かけたりなんてことを夢見ている。

なんてことを今真横で胎動をカウントしている奥さんを横目にこの文章を書いている。


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