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映画監督「原田眞人」を考える①

映画監督、原田眞人。

好きな映画監督である。

好きな・・・というか、本当は、「気になる」映画監督かもしれない。

「好きな」というには、作品の当たり外れが激しい。

性格(もしくはキャラクター)もなかなかに強烈。

でも、私はこの監督が好きだ。

原田監督の新作は、見逃すこと無く劇場に足を運ぶ。

何故だろう、監督作が全て好きなわけじゃないのに。

となれば、ダラダラとまとめていくことが、noteならできるんじゃないだろうか、ということで、勝手に不定期連載。

※いろいろ言うかもしれないが、私は原田眞人監督とその作品のことが大好きである。それだけは覚えておいて欲しい。

映画監督「原田眞人」を考える。

まずはフィルモグラフィ。


映画(監督作品)
さらば映画の友よ インディアンサマー(1979年) - 監督・脚本
ウインディー(1984年) - 監督・共同脚本
盗写 1/250秒 OUT OF FOCUS(1985年) - 監督・共同脚本 - テレビ映画。
PARIS-DAKAR 15000 栄光への挑戦(1986年) - 監督・脚本
おニャン子ザ・ムービー 危機イッパツ!(1986年) - 監督・脚本
さらば愛しき人よ(1987年) - 監督・共同脚本
ガンヘッド(1989年) - 監督・共同脚本
ペインテッド・デザート(1994年) - 監督・共同脚本
KAMIKAZE TAXI(英語: Kamikaze Taxi)(1995年) - 監督・脚本
トラブルシューター(1995年) - 監督・脚本
栄光と狂気(1996年) - 監督・共同脚本
バウンス ko GALS(1997年) - 監督・脚本
金融腐蝕列島〔呪縛〕(1999年)
狗神 INUGAMI(2001年) - 監督・脚本
突入せよ! あさま山荘事件(2002年) - 監督・脚本
伝染歌(2007年) - 監督・脚本
魍魎の匣(2007年) - 監督・脚本
クライマーズ・ハイ(2008年) - 監督・共同脚本
わが母の記(2012年) - 監督・脚本
RETURN ハードバージョン(2013年) - 監督・脚本・原作
駆込み女と駆出し男(2015年) - 監督・脚本
日本のいちばん長い日(2015年) - 監督・脚本
関ヶ原(2017年) - 監督・脚本
検察側の罪人(2018年) - 監督・脚本
燃えよ剣(2020年公開予定) - 監督・脚本


燃えよ剣

そう、「燃えよ剣」。

2020年は、3月以降、新作映画が全く公開されていない。

公開延期になった数多の作品の中で、私がいちばん惜しんでいる作品が、「燃えよ剣」だ。

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この記事に少しでも興味を持って頂けているなら、まずはポスターと予告編という2つの素材をもとに、原田作品の魅力を語ってみたい。

良いところ

・役者がハマっている
・セットやロケの見事さ

どんなにミスキャストっぽい配役でも、今まではあまり評価していない役者でも、原田作品に出演すると、あら不思議。
とっても、「いい顔」になってることが多い。
岡田准一や鈴木亮平はともかくとして、山田涼介の「いい顔」ぷりは、さすが原田監督と思える。

セットやロケについても、同様の路線だが・・・。
そんなにお金がかかっているはずもないのに、撮影や照明の巧みさもあるのだろう、めちゃくちゃ超大作のように見えるルックがある。
一瞬にして「セットだな」とわかるNHK大河とは、大きくそこが違う。
どんなにスケールが大きい物語であっても、「ちゃっちい」絵作りは観たことがないのが、原田作品の特徴である。

役者と絵の説得力。

この点だけでも、力量のある監督であることは明白だ。


悪いところ

・キャッチコピー:「時代を追うな。夢を追え。」
・英語題:「BARAGAKI ー UNBROKEN SAMURAI ー 」

今作は、司馬遼太郎原作「燃えよ剣」の映画化なのだが・・・。

キャッチコピーと英語題からもビンビンに感じるのだが、

「あ、原田監督。『燃えよ剣』を素直に映画化する気まったくないな」

という姿勢。

原田監督は、原作がある作品を、「監督・脚本」で映画化することが多いのだが、全くといっていいほど、原作を尊重しないのである。

いや、原作の物語展開を尊重しないといったほうがいいのか。

監督目線では、「原作の核・精神」を映画化しているつもりなのだが・・・、(少なくとも私の解釈とは)ちょっとズレていることが多い。

私調べでは、この英語題に、原田監督の本音が隠されていると思っている。

「燃えよ剣」ではなく、「BARAGAKI ー UNBROKEN SAMURAI ー 」

「検察側の罪人」ではなく、「KILLING FOR THE PROSECUTION」

「日本のいちばん長い日」ではなく、「THE EMPEROR IN AUGUST」

原作に触発された、原田監督物語であって、原作の映画化でないのよね・・・。

そういう意味では、2007年「魍魎の匣」が原田節全開な作品で、

・原作の映画化としては最低だが

・映画として観ればすこぶる面白い

という、複雑なものだった。


とまぁ、今後何を書いていくにしても、このあたりの「良し悪し」が取りざたされていくことになるだろう。
「燃えよ剣」の公開を待ちわびつつ、なんとなく書いていきたい。


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