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映画感想「移動都市/モータル・エンジン」

移動都市/モータル・エンジン(2018年/128分)

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デンデン!

それは僅か60分の出来事だった
古代人は人類を滅亡の淵へと追いやった
生き残った者たちは、移動都市を作り
荒廃した地球で新たな暮らしを始めた
互いに食料と燃料を奪い合い
弱者は狩られ
強者はその勢力をさらに拡大していった
やがて新たな時代が始まった
偉大なる西方捕食都市の時代が

デデデン!

こんな、壮大かつ意味不明なオープニング字幕で幕を開ける本作「移動都市/モータル・エンジン」。

補足すると、
・古代人(現代の我々のこと)は、なんらかの原因で自滅したらしい
・生き残った人たちは、ハウルの動く「都市」を建設し、移動しながら生活をしている
・戦いだぁー!
ということで、馬鹿っぽくて、頭がクラクラしますね。
ちなみに、「西方捕食都市」って何だったのか。何がどう偉大だったのか。
その辺は、劇中で特に説明がない。見落としたのかと思ったが、やっぱりない気がする。

例えるなら、
「天空の城ラピュタ」と「風の谷のナウシカ」と「ワンピース」と「スターウォーズ」を無理やり地続きの世界観にして、それを128分で完結させたらこうなる!
という映画でした。

予告の段階だと全く面白くなさそうでしたし、あんまりヒットもしてなかったんで、映画館では見損ねました。
ただ、舐めてましたね。
見たことない世界観で繰り広げられる、既視感ばりばりの展開。
30秒くらいしか悩まない、ひたすらテンションの高い登場人物たち。
伏線かなと思ったら、2分後くらいには解決してる(ように見える)諸問題。
ハートに突き刺さりました。
「なんか奇跡的に予算通っちゃったけど、シリーズ化できる気もしないから、やりたいことまとめて詰め込んじゃおう。テンポ上げればいけっだろ」みたいな、隙のない雑な展開が激アツ。
指輪物語を3時間×3本
ホビットを2時間半×3本
キングコングですら3時間くらいかけて作ったチームが製作しているのに、全編地に足のつかない駆け足姿勢がひどい。
褒めてます。
めっちゃ楽しいです。

思い入れのないキャラが現れて
そいつが思い入れのない他のキャラのために死んで
その様を、これまた思い入れのないキャラが見て泣いてる
みたいなシーンが多い。普段ならしらけるところですが、本作の場合、勢いだけは凄くて、何故かちょっと感動してしまいました。

世評とは必ずしも一致しないのですが、私はこういう、とにかくアクション(活劇という意味でも、物語の展開という意味でも)つるべうちの話が、そーいや好きである。
「ジュラシックワールド/炎の王国」とか「スノーピアサー」とか「ドリームキャッチャー」とか。
ラーメンなら、「全部入りかつ固め濃いめ多め」でいったん頼んどくか精神。味がどうなってるかはもうよくわからんが、とにかく満腹感と胃もたれは感じることができるし、これはこれでオッケーというか、もはや大歓迎。

金曜の夜に、「30分だけ見たら寝るか」と思ったら、結局最後まで観てしまいました。
良かったらご覧ください。
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