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「赤い河」とロシア料理

「赤い河」ていう映画のワンシーン。

舞台は西部劇で、平地いっぱいに牛が映り、その牛の群れを、主人公のカウボーイが、遠くから眺めている。

そして、ふと一言。

「美味そうだな・・・」

だいぶ昔に観たっきりなので、おぼろげーな記憶なのですが、確かこんなシーンがあった気がする。無かったらすみません。

はへぇーと、中学生だった自分は感心したんですが、アメリカ人ってのは、牛を見ると、「美味そう」「腹減った」って思うもんなんだなと。

水族館に行って、魚をたくさんみると、寿司が食いたくなったりしませんか?
ドンキの店前にある生簀に飼われてる魚とか海老とか見ると、腹減ったりしませんか?

ああいう感覚を、アメリカ人ってのは、牛に対して思うんだなー。なんてことを発見した気がしました。

てことは、なんとか牧場とかファームランド的なところに行くと、日本人だと「ソフトクリーム食いてえ」くらいが関の山ですが、アメリカンともなると、「今夜はステーキだな」なんてことを思うのでしょう。

何に触れて何を食べたくなるのかってのは、お国柄もあれば文化的な背景でも違いが出るものなのです。

さて、この週末は、家族で外食ランチに行って参りました。
一応、位置づけは私の誕生日会ということになっており、誕生日当日こそスルーされたけれども、コロナ恐怖症の妻が、外食を決断したという点は、なかなかの嬉しい出来事であります。

何を食べるのか、というのは完全にお任せしていたのですが、妻が予約した場所は、

「ロシア料理」

でした。

どうしてロシア料理にしたの?と訊いてみると、「いや、なんとなく。なぜか最近食べたくて」と言っていた。
気付いているのか、、、いや気付いていないのか・・・、多分サブリミナル効果が発生しているんじゃあないか、妻よ。

連日の報道により、「ロシア」から「ロシア料理」が植え付けられたのだろうか。
報道を見ながら、「今週末、ロシア料理に行こうかな」「ピロシキ食べたい」なんてことを思ったんだろうか。恐るべし。

悲しいことに、ご時世柄なのか、普段であれば人がいっぱいのこぢんまりとしたお店なのに、開店直後であることは置いておいても、食べ終わる頃でも、お客は入ってこなかった。

フライドポテトがあるわけでもなく、鳥の唐揚げもオムライスもなく、少々子どもにはとっつきにくい料理であるようだったが、そんな子どものことはさておき、妻はビーフストロガノフをパクパクと召し上がりながら、長男に語っていた。

「いいか、息子。国はおいといて、食べ物にはなんの罪もない。美味しいものは美味しい」

というようなことを語ってました。なんとなく、素敵な言葉な気がする。

私は、「牛ステーキ」をメインにしました。

ロシア風な味付けではなかったし(そもそもロシア風ってのもわからんが)、「お好みでどうぞ」と醤油ボトルまでついてきたので、これの何がどうロシア料理なのかは不明。
もしやアメリカ・ロシア・日本の友好を一枚の皿で表現してきた・・・ということか。
そう解釈できなくもない。

美味しかったです。

そういえば、ケーキは出てこなかったし、そもそも僕の誕生日会なのになぜ僕にリクエストを聞かないんだろうとも思いましたが、良い週末のひと時でした。


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