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「平清盛」と大河ドラマについて

この1ヶ月半、テレワークをいいことに、大河ドラマを流しながら、勤務をする日々。

「いだてん」
「龍馬伝」
「平清盛」

を、続けて鑑賞した。

なおかつ、「麒麟がくる」をリアルタイム鑑賞中である。

私は、特段「大河フリーク」ではない。

司馬遼太郎はじめ、歴史小説は大好物なので、ほぼ毎年、頭の数話は観てみるものの、結局完走は断念する。

「麒麟がくる」が、第59作。

今まで全て観たことある作品は、上記3つの他には、「新選組!」と「真田丸」だけなので、

5/59

ということになる。

そんな若輩者があーだこーだ言うのもなんだが、せっかくなので備忘録がてらに記しておこう。


「平清盛」総評

この作品には、大河ドラマの良いところと悪いところが、同じくらい存分に詰め込まれている気がする。

40台後半までの話数を重ねる、「実際の出来事を描く」大河ドラマにしてみれば、作品の善し悪しとは結局、

良いところと悪いところ、どちらが気に入るか

という比較になってくるのではないだろうか。

ただの暴力集団であった武士の成り上がり=「武士の世」に至るまで

が描かれる。

若き清盛にその目標を与える父・平忠盛(中井貴一)が退場してからは、なかなか退屈に感じられた。

おじゃる体質の朝廷を相手に、あれやこれやと権謀術数を張り巡らせる清盛。

ここがスリリングとは決していえず、清盛は、「朝廷との同化」を目指していくため、やることなすこと、大分陰湿である。

ラップバトルっぽい、「短歌での争い」は新鮮だったものの、どうにも地味だ。

だが、物語後半、清盛が栄華を極め、「落日」にさしかかってくると、俄然面白みを増してくる。

「ミイラ取りがミイラ」

武士の世を成すため、武士を捨てることとなり、全てが泡と帰してしまう、男の生涯。

でもこれって、「平清盛」の物語じゃないんだよね、厳密には。

それは、「平家」の物語だ。

栄枯盛衰、盛者必衰を描くにしては、「平清盛」という題材は、帯に短し襷に長し。

自分はどこで間違えたのか
一族の絶頂と滅亡

を、亡霊となった平清盛が見つめ続ける

という構成の方が、テーマに映えた気がするし、というか素直に、大河ドラマ「平家物語」をやるべきだったのではないだろうか。

しかし、細かい不満点は数多いものの、それでも、40話くらいに入ってから、明らかに調子に乗り出した清盛および平家とその没落は、(仕事そっちのけで)食い入るように観てしまった。

最終回、壇ノ浦で平家は滅亡する。

散々バカにしてきた深田恭子が、覚悟を決め、幼い安徳天皇と水中に身を沈める。

「海の底にも都はありますよ」

仕事中にも関わらず、号泣である。

その後、ナレーションで処理されていく、一族それぞれの最期。

涙しつつ、やはりこの様を、清盛が見せつけられる展開が欲しいなと思ってしまった。

もしかしたら、これまた大河ドラマ「義経」とセットで完成となる、作品なのかもしれない。

となると、「義経」を観たいが、、、。

1ヶ月半で、大河ドラマ3作、大雑把に考えても、3人、(いだてんは2人なので)、4人の主人公の一生を体験した。

いだてん:48話
龍馬伝:48話
平清盛:50話
合計106話。

一話40分と考えて、40分×106話=4,240分=約70時間。

70時間かけて、4人の生涯に付き合ったので・・・。

走馬灯をぶつけられたようで、大変疲れた。

まずは、息抜きが必要だ。


大河ドラマ、最大の問題点

そのときどきの旬な俳優女優、売出し中の俳優女優、そして大御所が退去として出演する、大河ドラマ。

大御所はまだ良いとして、旬の若手俳優・女優が、朝廷やら武士やら志士やらを演じるが、どうにも迫力に欠ける。

とか

セット感が丸出しで、慣れないと映像も安っぽい。

などなど、楽しみつつも、どうしても大河ドラマには短所がつきまとう。

※その点、「いだてん」は、競技場に集まった大勢の観客などを、映像で描写するという工夫をしていたが。

一番の問題は、これだろう。

10代から晩年までを、1人の役者が演じること

それを言ってはおしまいなんだが、どうにもこれがネックである。

晩年は、メイクアップでなんとかなるにしても、少年期の違和感は拭えない。

自分が、いくつかの大河ドラマを途中で断念したのは、これによる。

明らかに中年の俳優が

少年を演じていて

最初のナレーション以外では、主人公が何歳の時代なのか分からないので

「良い年齢のおっさんが、なに青臭いこと言ってんだ」

と集中出来ないのである。

これを解決するには、

「6才のボクが、大人になるまで」
のように、実際に十数年をかけて撮影する

もしくは

「アイリッシュマン」みたいに、役者を若返らせる技術を使用する

しかない。

前者は・・・

不祥事多発し、それに弱い大河ドラマには酷なので、アイリッシュマン方式だろう。

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受信料を取りつつ、NHKオンデマンドに入らせつつ、DVDも買わせるNHKには、言いたいことが山程あるが、この技術を導入するためなら、もっと払ってやっても良いぞ

そう思うくらいには、なんだかんだ言ったが、大河ドラマには期待している。

特に、2022年に予定されている、「鎌倉殿の13人」は期待大だ。


追伸

我ながら、「走馬灯をぶつけられた」って表現、いいね。

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