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#3 The Beatles / Revolver(1966.08)

ビートルズの7thアルバムです。ビートルズではこのアルバムが1番好きだったりします。昔は初期のロックなビートルズが好きでしたが、今は後期のサイケデリックなビートルズの方が好きです。今作ではADT(同じ音源を別トラックに録音し微妙にずらして重ねる)や、テープ逆再生など実験的な音作りが行われていました。

○全曲レビュー
M1: Taxman
ジョージ作曲。冒頭の「1,2,3,4 1,2 1,2,3,4!」というカウントやベースラインが非常に印象深い。因みにギターソロはポールが弾いている。歌詞は皮肉感満載で面白い。1曲目からなかなか飛ばしている気がする(笑)

M2: Eleanor Rigby
ロックバンドなのにストリングスで構成された曲。歌詞はポール得意の物語風である。そもそもこの曲は殆どポールが手掛けており、ジョンとジョージはコーラスのみでリンゴに至っては参加すらしていないという。

M3: I'm Only Sleeping
ジョンのサイケ色満載の曲。ジョージが弾いたギターの逆再生音やジョンのボーカルがサイケ色を強めている。ジョンのボーカルは元の音を若干早回ししているらしい。そして歌詞も風刺が効いてる。途中であくびの音が聴こえる。個人的にこのアルバムで1,2を争うレベルで好きな曲である。

M4: Love You To
ジョージ今作2曲目。シタールを取り入れたインドっぽいサウンドが特徴。サイケ感は伺えるが、アルバム内では異質すぎる曲。別に嫌いではないけども。

M5: Here, There And Everywhere
ポール作のミディアムテンポ曲。ひとことで言うと美メロ。でもちょっと単調気味なところはあるかも。

M6: Yellow Submarine
皆さんご存知リンゴボーカル曲。歌詞に合わせて効果音を挟むなど遊び心満載である。サビをよく口ずさみがち(Yellow Submarineあるある)

M7: She Said She Said
"聴く麻薬"みたいなサイケデリックな曲。実際にこの曲はジョンのトリップ体験からできたという。なお、レコーディングにポールは参加していない。原因はLSDらしい。

M8: Good Day Sunshine
ポール得意のポップソング。ピアノ主体のメロディーに、タイトル連呼のサビというシンプルさ。Lovin Spoonfulの「Daydream」を参考にして書いたらしい。因みに間奏のリード部分はジョージ・マーティンが弾いている。

M9: And Your Bird Can Sing
ジョン作のツインギターで疾走感溢れるポップな曲だが、歌詞はジョンの曲に見られる文法的には簡単だが哲学的。ビートルズという名のケージで束縛されていることの苦痛をマネージャーであるブライアン・エプスタイン(鳥の飼い主)に皮肉交じりにぶつけたといった内容。

M10: For No One
ホルンを使ったミディアムテンポの美メロソング。ポールのソングライティング力の高さを改めて実感できるような曲である。レコーディングはメンバーではポールとリンゴのみなのでもはやバンドじゃないけど。ジョンはこの曲を高く評価している。

M11: Doctor Robert
ロバート・フライマンという実在した医師をモチーフにしたドラッグソング。(後に麻薬が原因で医師免許剥奪されたらしい) 曲はロックかと思いきや途中からサイケ要素が入ってくる。

M12: I Want To Tell You
ジョージ今作3曲目。「Eight Days a Week」のようにフェードインで始まる。ジョージはLSDからインスピレーションを得たとか。後にジョージのソロアルバムにリメイクされたものが収録された。

M13: Got to Get You into My Life
ポール作のファンキーソング。バンドサウンドにブラスが加わって、ブラックミュージックっぽい。マリファナに影響を受けた曲らしい。

M14: Tomorrow Never Knows
アルバムの最後を締めくくる実験的な大のつく名曲。最後の曲だがレコーディングは最初に行った。後のヒップホップやクラブ系の音楽ジャンルでのバック・トラック制作の基本であるサンプリングとループの作業を、ポピュラー音楽界でいち早く実験して成功させた。イントロのカモメの音が印象的。ちなみにあの正体はポールの笑い声にディストーションをかけたものである。歌詞はドラッグの先駆者ティモシー・リアリーの著書「サイケデリック・エクスペリエンス:ア・マニュアル・ベースド・オン・ザ・チベティアン・ブック・オヴ・ザ・デッド」から触発されたもの。タイトルはリンゴ発。

ライブ・バンドからレコーディング・バンドへ変化したビートルズはこの作品によって、後の音楽に影響を与える先駆者となりました。こんな情報量が多いのにアルバム全体は35分程度で聴きやすい。こんなアルバム他にありますか?ありません!以上!

#TheBeatles #ビートルズ #音楽レビュー #音楽 #洋楽

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