見出し画像

【詩】葬列に背を向けて

加害者を、被害者にしてはいけなかった
被害者を、加害者にしてはいけなかった


花を手向けるならば
国家によって良心を踏みにじられ、絶望に追いやられた公務員に

悼むならば
国家によって虫けらの如く扱われ、死に追いやられた異国の人を

惜しみなくカネを使うならば
国家によって貧困を余儀なくされ、食事すら足りぬ子どもらに

心寄せるならば
国家によって住処を追われ、寄る辺なく散り散りにされた人々に

長きに渡る嘘と不正と悪徳を贖わせることもできず
人と法と言葉の軽視を正すこともできず
こんな秋晴れの下で
われわれは、いったい何をしているのか
こんな秋晴れの下で
われわれは、いったい何を見せられているのか

共にあろうとするならば
追いやられ、軽んじられ、奪われてきた人々の怒りとともに

こんな秋晴れの下で
せめて葬列に背を向けることしか出来ぬのか

こんな秋晴れの下ならば
目をしかと見開くことも出来るだろう


加害者を、被害者にしてはいけない
被害者を、加害者にしてはいけない


2022年9月27日
 


見出し画像に

大阪城天守閣を復元した時にエレベーターまでつけたことは大きなミス

を入れ忘れた。
他にも入れたかった(入れるべき)文言はたくさんあるが、悪徳が多すぎて入りきらなかった。

作品を気に入って下さったかたは、よろしければサポートをお願いします。創作の励みになります。