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銭湯の値上げ、怒る人とそうでない人

よく行くサウナが4月から値上がりとなった。

平日は50円、土日は100円の値上げだったので、ほぼ毎日サウナに行ってる僕としては決して安くはない値上げ。1ヶ月で2,000円くらいの負担増となる。が、実はそんなことはたいして気にもしていない。それより気になることがあるのだ。

注目すべきは「どのくらい客足に影響あるか?」で、個人的にはそこが最大のポイントとなる。先週末は値上がり後、初めてその銭湯を利用することとなった。

結論から言うと、いつもの週末よりお客さんは少なく、サウナ室も待たずに入れた。そう、値上げ前の週末はサウナ室に入れないタイミングがあるほど人気の銭湯だったのだ。結果的に僕はこの値上げにより非常に満足度が高くなった。月額2,000円でサウナ室が快適になるなら安い、そういうことだ。

さらに、こういうとちょっと申し訳ないんだけど…マナーの悪いお客さんも減ったように感じた。数百円の値上げにごちゃごちゃ言うやつはマナーが悪い!なんて短絡的なことを言うつもりはないんだけど…事実としてここのお客さんはマナーの悪さが目立つなぁと思ってた。

せっかくリフレッシュしに行ってるんだからマナー警察のようなことはしたくない。心の平穏を求めてサウナに行ってるのに、そこに気を取られると何やってんだかわからなくなる。サウナではとにかく自分に集中していたいのだ。

が、それでもやはり行き過ぎたマナーの悪さは気になってしまう。気になると集中に欠け、よいサウナ体験が得られない。そういう時、僕はとても落ち込む。ああ、もっと器が大きくなりたいな、と。自分の未熟さを突きつけられている気分になるのだ。

しかし、時代的にサウナ室では喋らないこと(感染リスクを減らすためらしい、黙浴と言われる)が求められてるにも関わらず、大声で喋る学生たちや、水風呂に入る前にかけ湯をしないおっさんたちを目にすると公共の場なんだから気持ちよく利用しようやって言いたくなる。ちなみに、個人的には感染リスクとかは全く気にならないけど、サウナ室が静かになるという点ではこの「黙浴」という文化は非常に歓迎している。コロナは消えても黙浴だけは永久的に残って欲しい。

値上げ後の週末、マナーの悪いお客さんがあまり見られなかった。偶然かもしれないが、値上げの影響も少なからずあるだろう。この静かで配慮された空間がサウナの魅力をさらに引き上げることは言うまでもない。値上げすることでサウナの価値は明らかに高まったが、それを求めてない人には価値が下がったということになるのだろう。それが非常におもしろい。

奇しくも、値上げ前にサウナ室で値上げのことに憤ってるおじいちゃんがいた。「値上げなどけしからん!」と迷惑も顧みず大声で喋り、「値上げしたらもう来んぞ!」と言っていた。

毎日のことだから、できれば安く済ませたら助かるなぁとは思う。が、僕にとってサウナは精神文化に触れる時間。月額2,000円負担が増えるだけで空間が快適になるのならば、充分価値があるな、と思ってしまう。

結局、客層というのは値段に連動してしまうのだろう。そう断言してしまうのはどこかさみしい気もして、本当にそうなのか?と何度も自分に問いかけてしまう。けど、少なくともこの銭湯の値上げに関しては傾向は出てしまった。それは値上げが発表されたあと、銭湯内で繰り広げられてきた会話を幾度となく聞いてきて、週末の結果を見た僕だからわかる。(サウナ行き過ぎ)数百円の値上げが人によっては怒りになり、人によっては恩恵になる。値段を安くすることだけが価値ではないということがわかるだろう。

…そんなこと考えてるからお前はサウナに集中できてないのだ。何が「僕にとって精神文化に触れる時間」だ。値上げに対する他人の会話聞いてる暇があったら集中してサウナに入れよ。空いてたらラッキー!それでいいじゃん。もっとサウナを楽しめよ。

今日こそ何も考えずにただただサウナに入ろう。そんな自分に早くなりたい。なりきれない自分がいちばんタチ悪い。

結論:ただただサウナを楽しめるようになりたい

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