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読書記録「戦争の経済学」ポール・ポースト著 山形浩生訳

バジリコ株式会社
2007

アフガニスタン情勢のニュースをみて、読まずにおいたままだったこの本を読むことにした。
アフガニスタンでの戦争は何だったのか、そしてアメリカや他の関係した国々は何を得た、又は失ったのだろうか。そしてアフガニスタンは何を失ったのだろうか。

何となく戦争に対して抱いているイメージが実は違っていたことに気付かされる。
具体的には、戦争は好景気をもたらす、軍産複合体が戦争をしたがっている、傭兵はいざという時だめだ、テロは貧しく十分な教育を受けていない人が起こすものだ、などなど。

第一章 戦争経済の理論
第二章 実際の戦争経済:アメリカの戦争 ケーススタディ
第三章 防衛支出と経済
第四章 軍の労働
第五章 兵器の調達
第六章 発展途上国も内戦
第七章 テロリズム
第八章 大量破壊兵器の拡散
付録  事業・プロジェクトとしての戦争

大量破壊兵器で突然終わるので、日本語版の補講がまとめのような形で入っている。
この項では日露戦争とイラク戦争を例に、戦争はプラス収支なのか検討されている。

内戦のところ。内戦に関しては今も昔も、全く儲かるものではない。その経済的影響は凄まじい。

入門書として、経済学の用語の解説も設けられている。
経済学の用語は一朝一夕に分かるものではないので、この本だけで経済学の概念は掴みきれないだろう。でも、図や表がたくさん入っているので、それを見るだけでも十分だと思う。

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