今年の目標、身体と心の両輪で生きること
身体と心が一致しない。ばらばら。
こうすべきだと頭では分かっているのにできない。
逆に、すべきでないと理解しているのに、どうしてもそこに向かっていってしまう。
そんなことが昔から多い。
頭でわかっているからこそたちが悪い。
むしろわかっていなければ楽なのに。
できない自分を責めてしまう、いや、もう責めるのも悪循環だからありのままを認めるべきだともわかっている。これもべき。全部べき。
メタ認知のマトリョーシカ。
こうやって、あーでもない、こーでもないと思考がショートしはじめるときがある。
頭ばかり使っている、身体とのバランスが崩れている。
少し前に、似たようなタイプの友達に話したら「それ、運動せなあかんみたいな話やろ」とちょっとうんざりしたような声で言われた。
ああこの子も私と同じだ。
運動する「べき」だということは知っている。同じように思考の中でしか生きていない。
身体を使うこと。
ここを、今年はもう少しオリジナルに、丁寧に深めたい。
私自身「運動したらいいんだよ」と雑に言われることは苦手だ。そんなことはもうとっくにわかっている。
出口のないぐるぐる思考がひどいとき、苦しくていてもたってもいられなくて、昔からよく散歩に出る。
大阪の実家にいたときは、近所の狭山池が私のお気に入りスポットだった。私が知っている中で、一番空が広い場所のように感じる。
歩いていると気持ちがハイになる。
悩みやぐるぐるの外に出る、という表現が近いかもしれない。
自分の身体を使って、確かに思考の外へ出られる。
東京でひとり暮らしを始めて一番楽しいことは、知らない街をぶらぶら歩くことだ。
ひとりで歩いているときは高確率でご機嫌だ。
これ、いわゆるほろ酔いってやつなんじゃない?ってくらい気分がいい。私はほとんどお酒は飲まないけど。
別に手段はお酒じゃなくたって、人には人の酔い方がある。
大学院で研究をしていたとき、インタビューした薬物依存当事者の方が言っていた「シラフでクレージーになることが必要」という言葉が忘れられない。
その人はパフォーマンス・アートをやっていた。薬以外の自己表現、楽しいと思えることでクレージーになること。
私もそういう生き抜く方法を見つけたい。
今はまだ、そこまでと言えることは見つからないけど。
でも、散歩が私にとってのほろ酔いなのだったら、そういうことから始めるしかないなと思う。
時々、とんでもないことに飛び込みたくなったり、何か新しいことを始めて劇的に自分を変えたくなるときがある。
そういうのはだいたい衝動で終わることが多いけれど、まあ時々クリーンヒットで成功するときもある。
私にとって、去年住むところを変えるという決断をしたのはそういう気持ちだった。
大胆なことでも、必然性があるような、呼ばれているような感覚があるときは、きっとそれに従ったほうがいい。
それに従ったから、私の身体は前よりずっと軽くなった。
でも最近思うこと。
結局自分が心地いいと思うこと、好きだと思う小さな感覚を、地道に雪玉みたいに転がして大きくしていくしかないのだ、と感じる。
それが一番、自分のまま幸せになる方法なのだと思う。自分の好きのベクトルに従うこと。
最近読んでいる本で「人格の否定を伴わない生活の改造」という言葉が出てきた。
安達茉莉子さん「私の生活改善運動」。
まだ半分くらいしか読めてないけれど「人格の否定を伴わない生活の改造」というワードにインパクトがあった。
自分のことを考えること、変化について考えることは、すぐに人格否定、自己否定に滑っていきやすい。
生活を心地よく変えていくことに、人格否定はいらない。そのことに改めてはっとさせられた。
私は自己否定に基づいた変化、自己啓発、そういったものに毒されすぎていたのかもしれない。
私を否定しなくていい変化のやり方があるのだ。
当たり前のようで、とても新鮮。
私の身体の心地よさに重点を置いて、それを転がして育てていく。
散歩の感覚が好きなら、そういうところから始めていくしかない。それをどこまでも遠くに広げる。
たくさん喋って歩いて、たくさん書く。歌うもいいな。
そういう、好きな感覚から生まれる何かに押し流されて生きていきたい。
それが今年の目標。
この間、東京駅の周りを散歩した。
東京駅の外観、用事があればついでに写真を撮りにいってしまうけれど、私は東京駅の正面から振り返って後ろのビルの間から見える空が好き。
日没時が特にきれい。
その空に呼ばれるように散歩してみた。
江戸城跡のお堀があった。ほんとに駅から1kmと離れていない、なんでこんな近くにあるのに存在も知らなかったんだろう。
いつもそんなことばっかりだ。
東京は狭いところにたくさん街があって、自分の足でいろんな街の境界線を超えることができる。
ここにいる間に、たくさん歩こう。
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