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音楽を聴くなら「勉強中」より「勉強前」に

「勉強をするときに音楽をかけると、著しく効率が下がる」という研究結果が多数出ています。

英グラスゴー・カレドニアン大学の研究によると、「テンポの速い曲」「テンポの遅い曲」「環境音」「無音」の4つの条件下で記憶力、注意力などを調べる認知機能検査を行ったところ、音楽や雑音がある群は、「無音」と比べてすべての検査得点が低下しました。特に「テンポの速い曲」の悪影響は大きく、「無音」と比べて記録力テストの得点が約50%も低下したのです。

人間の脳は、一度に2つのことをこなす「マルチタスク」ができません。つまり、「勉強する」と「音楽を聴く」は同時にやっているようで、脳の中ではそれらの処理を交互に行っています。ものすごく脳に負担をかけて、結果として勉強の効率を著しく悪化させるのです。

とはいえ、好きな曲を聴きながら勉強すると勉強がはかどる気がするのはなぜでしょう?カナダ・マギル大学の研究で好きな音楽を聴いていい気分になっているとき、脳内でドーパミンが分泌されていることが明らかになりました。ドーパミンが出ると「楽しい」気分になりますが、実際に勉強中の効率が上がっているかは別の話です。

東北大学の研究によると、早いテンポの曲または遅いテンポの曲を聴かせたあとに短期記憶課題を行ったところ、早いテンポの曲を聴いた場合に、左下前頭回(短期記憶に必要な部位)が活性化し、短期記憶が向上したという結果が得られました。

つまり、仕事や勉強の開始前に、テンポの速い曲や、自分の好きな曲を聴いてテンションを上げるのは、脳科学的に効果があるといえます。

以上をまとめると、音楽を活用した勉強法としては、勉強開始10~15分間に、自分の好きな曲、テンポの速い曲を聴く。勉強を開始したら音楽を止めて、静かな環境で勉強する。休憩時間にまた音楽を聴き気分転換をする。そんなふうに上手に音楽を活用すると、あなたの勉強効率は大きくアップするはずです。

【プロレスラーの入場曲のように「勉強のテーマ」を決めておこう。】

「インプット大全」樺沢紫苑著 より

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