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【小説】秀頼と家康の会見②

【小説】秀頼と家康の会見②

その男は、実に苦労人だった。鳴くまで待とうなどというのは、戯言である。三河生まれの持ち前の気性の荒さで、すぐに頭に血がのぼる性格だが、一方で、多くの経験を通して、冷静さと一種の潔さを身につけていった。そして何より、執念が凄かった。徳川家康である。

幼少期はずうっと人質として今川氏や織田家で過ごした。転機は桶狭間の戦いであった。今川義元が討たれ、人質身分から解放される。21歳で信長と同盟関係を結ん

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