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読書の夏

読書が楽しい。

大人になって全く読まない時期もあったのに、気になる本がどんどん見つかる。

noteを始めた、ということが大きい。

「書く」スキルを身に付けるため、よい文章に触れようと思いさまざまな本を手にするうちに、読書の楽しさを思い出してしまったのだ。

この夏は、出版社ごとの夏フェアに注目してみたり、映画化が決定した本屋大賞受賞作を買ったり、書店で偶然手に取って直感でレジに運んだ一冊の、瑞々しく柔らかい(まるでレタスのような)文章に魅了され、お気に入りの作家さんが増えたりした。

この間の連休は、冷房のきいた部屋でクッションに体をあずけながら、そこそこ厚みのあった文庫本の小説を一気に読み切った。
(するする読めてしまう文章、目を離せない展開、やはり本はエンターテイメントだ!と実感した。)

見慣れない言葉や使い慣れない慣用句が出てきたら、その度に手を止めて辞書を引くようにしている。
まだまだ言葉を知らない私にとって、これほど楽しく学べる有難い教材はない。

以前は、せっかく高まった感情や勢いが途切れてしまうのが嫌で、言葉の意味を曖昧にしたまま読み進めることもあった。

手を止めて調べる。納得して、読み進める。
時間はかかるけれど、著者が書き表そうとしたものをできるだけ正しく受け取りたいし、その分読み応えと読後感を存分に味わうことができる。
一緒に終わりまで歩んだその本に、愛しさも増している。



基本は小説やエッセイを読むのだけれど、春に、めずらしく自己啓発本を手に取った。

目を引くタイトル。世界的大ベストセラー。
書店の目立つ位置に展開されていて、棚の前を通る度に「私でも読めるだろうか......」と迷っていたのだが、どうしても内容が気になってついに購入した。

(その本を読んだ直後の下書きが眠ったままだったので、今回加筆して、投稿することにしました。)



本をめくる手を止めて、ページに付箋を貼った。

参考書や問題集のような本は別として、本に付箋を貼ったことは今までなかった。

それほど自分のこれからの指針になるような、きっとこれから何度も読み返すであろう重要な教えが書かれていた。

今までも印を付けておきたい文章に出会うことはあったが、実際に付箋を貼ったことはなかった。
というのも、私が家で読書をするときは、文房具がしまってある机からは離れた場所で(飲み物を用意してリビング、あるいは窓際でクッションに座りながら)読むことが多いので、手の届くところに付箋が無いのだ。

わざわざ部屋を移動して付箋を取りに行くのは、少し面倒。何より本の続きが気になって、読書を中断したくないという思いが勝る。

「あとで貼ろう」と読み進めるうちに、付箋を貼ろうとしていたことさえ忘れてしまう。
そしていざ読み返したくなったときに、「どこのページだったっけ?」と無駄に時間をかけて探すことになるのだ。

でも、時間を置いて読み返すと、印を付けたかったページと別のページの文章が心に刺さることがある。
今の自分に必要なものが、開くたびに変化するのだ。
もし付箋を貼っていたら、その部分だけしか読み返していなかったかもしれない。

次にその本を開いた自分が、どのページに惹かれるのか。
再読の楽しみは、ここにあると思う。



そんな考えだった私が、読み途中のその本を抱えながら、部屋を移動して机まで取りに行き、丁寧に付箋を貼った。

読み終わった今も、何度もそのページの教えに救われている。



(★ちなみにその本とは、アドラー心理学について書かれた『嫌われる勇気』です。
どの教えも興味深かったのですが、とくに胸に刺さった【第4夜】に付箋を貼りました。)



以前、本について書いた記事も載せておきます。


私は食べることが好きなので、美味しそうな食べ物が登場する本に惹かれます。
今読んでいるのは、料理をするあの場所がそのままタイトルになった、ロング・ベストセラー小説です。


皆さんが素敵な読書時間を過ごせますように。

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