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春の星座に会いたい

昨晩、眠る前に窓の外を見ると、ぼんやりと曇が空全体を覆っていました。
残念ながら、星空観察はお預けでした。


“春に三日の晴れなし”

春は天気に揺らぎが多く、タイミングが合わないとなかなか星空を見ることができません。

また、春は実にさまざまな形の雲が、昼夜問わず楽しそうに空を泳いでいます。
夜まで残ってしまった雲によって、せっかく出ていた星が隠されてしまうことも。

そして、春の星は光の強さも違います。

冬の星は一等星が多く、窓に目を向けただけでもすぐに気付くほどの、するどい光を放っていました。

春は窓越しだと曇っているように見えても、窓を開けて目を暗さに慣れさせると、街灯りの中にぽつぽつと星がにじみ出てくる、というような具合の穏やかな光り方をしています。

冬のくっきりと冴え渡る星空も素敵でしたが、やさしい光を届けてくれるやわらかな春の星空も好きです。


22時を過ぎる頃、今の時期は、お誕生日の星座であるしし座やおとめ座が南の空まで駆けあがり、胸を張って堂々とした姿を見せてくれます。

実は春の星空には、星座の大きさランキングの上位3つの星座が集結しています。

ひとつは「おおぐま座」。
おおぐま座は、「北斗七星」が目印です。

北斗七星の「斗」はひしゃくの意味で、その字のごとく、“北の空に浮かぶひしゃくの形をした7つの星”を見つけることができます。

北斗七星は実際の星空で結んでみると、その大きさに驚かされます。
そのひしゃくで天の川のお水を汲んだら、数えきれないくらいの星々を掬うことができるでしょう。

北斗七星は、おおぐまのお尻から尻尾の部分。
胴体は大きすぎて、窓から観察している私は、なかなか全体を見ることができません。
まわりの暗い星をつなぐと、頭の三角形の星の並びや、2つずつ星が並んだつま先などを見つけることができ、比較的全体像を捉えやすい星座ではないかと思います。

2つ目は「おとめ座」。
おとめ座は、スピカという真っ白い一等星を持っています。

スピカからアルファベットの“ Y ”の形に星を結ぶと、おとめ座の手元から上半身に向けての姿を描くことができます。
実際の星空で大きなYの字を空に描いてみると、やはりこちらもその大きさに驚かされます。
伸びやかに描くと、何だか気持ちも晴れ晴れします。


そして1位は「うみへび座」。

あまり馴染みのない星座名かもしれません。うみへびは、神話では勇者と闘う怪物として登場します。
頭が見えてから、尻尾が見えるようになるまで、なんと6時間もかかるそうです!
東西に長く横たわる、巨大な星座です。

うみへび座は暗い星が多いので、心臓の辺りに輝く二等星「コルヒドレ」を見つけることしかできませんが、
きっとあの辺りに頭があって、地平線の下に巨大な体を沈んでいるのだと、いつも想像力を膨らませられる星座です。

今日は全国的に晴れもよう。
今夜こそはどうか晴れますように!


2023.04.03 朝


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