夜のお茶会
こんばんは。
もしかして、夜のお散歩ですか？
まだ眠くならないんですね。
私もです。
あの、紅茶はお好きですか？
実は、ちょうど淹れたてなんです。
一杯いかがですか？
このティーカップ、私のお気に入りなんです。
晴れている夜は、このカップの水面に、ゆらゆら星が浮かぶんですよ。
月が出ている日は、紅茶が金色にかがやいて特別な気分になれます。
お腹は空いていませんか？
実は、クッキーを焼いたんです。
甘すぎないように調整してあります。
さぁ、遠慮無く召し上がってください。
カラフルなのは惑星のつもり、です。
お月さまもありますよ。
不器用なので見た目は少々.......
ですが、味は保証します！
え？
うさぎの形のクッキーが入っている理由？
えっと、ですね。
実は私、お祝いをしようと思ってお茶の準備をしていたんです。
3月3日は、私にとってちょっぴり特別な日で......
3月3日は、語呂合わせで「みみの日」
つまり、“夕星「みみ」の日”。
...なんて思って、ひ、ひとりで！勝手に！
お祝いしてました！
準備まではわくわくして楽しかったんですけど、準備を終えてひとりで席に着いたら、なんだか寂しくなってしまって......
そしたらあなたがちょうど通りかかったので、つい声をかけてしまいました。
お祝いなんて、この際いいんです！
もう日付も変わりましたし！
一緒にお茶を飲んでいただけたら、それだけで！
……付き合っていただけるんですか？
ありがとうございます！
この紅茶、ミルクティーにしても美味しいんですよ。
今夜のミルクは、春の天の川にしました。
冬の天の川は濃いめでしたが、春はさらさらと透きとおる感じがします。
流星の素も、少し加えましょうか。
このスパイスの香りが、また最高なんです。
はい、どうぞ。
熱いので気をつけてくださいね。
今夜は、ありがとうございました。
一緒にお茶を飲むことができて、本当に本当に楽しかったです。
よかったら、余ったクッキーはお土産にどうぞ。
ちなみに星形のクッキーには、ほろ苦い隕石チップを混ぜこみました。
今度は、何を入れて作ろうかな。
私、時々こうして星を見ながらお茶してます。
よかったら、また一緒にお茶できたら嬉しいです。
帰り道、お気をつけて。
おやすみなさい！
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