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4年を経て、アメリカ⑨

コロナ禍なんて言葉は近頃は全く聞かなくなりました。
でもあれだけの大変なことが起き、今も苦しんでいる人もたくさんいる。
当時に起きたことの影響を今も受けている人も事もあるでしょう。
世界中の全ての人が影響を受けました。
本当の影響はこれからかもな、なんて思ってしまいます。
スペイン風邪の時には世界大戦で、その後に世界恐慌が起きて、さらにでかい世界大戦が起きたのですから、ちょっと歴史をかじればこれからもっと大変なことが起きるかも、なんて容易に想像してしまいます。
僕らは結局1日1日をせっせと生きているだけで、それが積み重なって何十年も経った時間を後の人が「歴史」として整理するのでしょう。

僕らも僕らの形でコロナの影響を受けました。
たまたまアメリカから一時帰国した翌月からコロナが始まり、
帰国便の頃にアメリカでコロナが大爆発する、というのは今振り返ってみてもすごいタイミングだったなと思います。
僕らの「何か」の時間はそこで止まっていたような感じがします。
音楽を作り演奏する僕らが、全ての機材と機会から強制的に引き離されたのですから。
その期間はそうした面では失われてしまった時間でしたが、
別の面では多くのことを得ることができた時間でした。
転んでもただでは起きない、とでも言えばいいでしょうか。
実りある期間でした。
ただやはりこのシリーズでも何度も書いてきた通り、ずっと引き裂かれてたような気持ちでした。
アメリカに戻って整理して仕切り直さなければならない。
その想いがずっと募っていた4年半でした。
今回のアメリカ滞在はとても素晴らしく有意義な時間でした。
今の世界の過酷な現実をたくさん感じることができました。
それはもちろん日本にいても感じ知ることができましたが、
その感じたことをアメリカ側から見て、確かめることもできました。
これは僕にとってはとても重要で大切なことでした。
たくさんの人たちの愛を感じることもできました。
これも何度も書いてきた通りです。

僕らは4年半前に全てが強制終了させられた時も
演奏することは止めませんでした。
ロックダウンしている中でも、もっとタイトに演奏したいと思って演奏し続けました。音楽を作ることも止めませんでした。そして色々な音楽を作ることができました。
僕らは4年半前にアメリカにいた時よりも演奏が良くなりました。そしてそれをたくさんの人に聴いてもらうことができたのも本当に嬉しいことでした。
コロナが始まってからの今日までの4年半をこうして振り返ると
僕らの時間は止まってはいませんでした。
大きく欠けているものがありましたが、はいつくばってでも前進することができました。
そして今回、その欠けていたものを全て自分たちの元に集めることができました。
戻ってきた。まとまった。
楽器や家財が戻ってきたことはリアルな現実ですが、それは同時に象徴でもあるかもしれません。モノだけでなく自分の心というか魂みたいなものもやっと一つにまとまることができたような安堵感と高揚感があります。
それは何か始まりの予感のようなものを呼び覚まさずにはいられないのです。

とても素敵な旅でした。
アメリカの友人たちのとの次の再会を心から楽しみにしています。

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