Yuzuru from THE MOLICE

ギタリスト。THE MOLICEのユズル。 考えたことを言葉にしたり、絵にしたり。音の…

Yuzuru from THE MOLICE

ギタリスト。THE MOLICEのユズル。 考えたことを言葉にしたり、絵にしたり。音のことなど。 Guitarist. Words, sounds, drawing,and music. https://www.youtube.com/c/THEMOLICE

マガジン

  • 2024年

    2024年に考えたことです。

  • 考えたこと

    ブログです。考えたこと、思ったことを言語化。言葉。昔のブログのアーカイブには日付がついています。 Japanese only. English translation of this essay can be found "English Essays”.

  • English Essays

    This is an English translation of my Japanese text. I will try to publish as many as possible.

  • Stories of THE MOLICE music

    THE MOLICEの音楽や映像について。THE MOLICEの『説明書』。About THE MOLICE's music and videos.This is THE MOLICE "instruction manual". Each essay have English below Japanese.

  • 描画 Drawing

    自分の描いた絵に、一言そえて公開しています。 I add a few words to my drawings.

最近の記事

「弾きすぎないこと」〜スティーブ・クロッパーの教え

誰にでも座右の銘とか心に残っている名言などがあるかと思います。 僕は中学生とか高校生の頃からギターを弾いてバンドをやっていた人間なので、10代の頃は貪るように音楽を聴いて、音楽雑誌やミュージシャンの伝記とか評伝を読んだりしていました。そういう中から、自分にとっての名言や人生を学ぶような言葉を見つけては「おお!そうか!」なんて言いながら書き出して壁に貼っていたりしました。 スティーブ・クロッパーという人もその中の一人です。 ブッカー・T&ザ・MG'sのギタリスト。ミスターテレ

    • 『CIVIL WAR』を観て

      『CIVIL WAR』を観てきました。 僕は映画の批評や評論を書く人間ではないので、ただの感想を書きたいと思います。書きたくなるくらい色々考えさせられ感じさせられた映画だったのです。 話題になっていた映画なので、どんな感じの映画なのかは知っていました。 ”アメリカが分断され、そして内戦が起きる” 確かにそういう映画でした。そういう意味ではSFでもあるのでしょう。 音がすごい、というのも評判通りでした。IMAXで観ることができなかったので通常の上映回を観ましたが、それでもすごい

      • 時代の空気・生活の空気

        時代の空気・生活の空気というものがあります。 大袈裟な話をしたいわけではありません。日々過ごしていて電車に揺られてぼんやりしている時、人々の表情を眺めて感じることがあります。街をぶらぶら歩いている時に行き交う人々を見て感じることがあります。街や人の様子から何かの空気を感じます。怒っている人、笑っている人、よくわからない挙動をしている人。ネット時代になっても行き交う人々はけして均質ではないのだなと実感します。ニュースで世の中で起きていることを知り、自分の心や感情が動きます。SN

        • 少数派の希望は世界の中に

          先日、「音楽を積極的に聴かなくなった若者たち」という記事を読んだ。 そういう話はよく耳にしていたので改めて記事として読むと、それが事実かどうかということも含めて、今はそういう世の中なのかねえと考えた。音楽は聴くが特定のアーティストだけを聴く、とかそういう感じであったり、コスパ・タイパが悪いとか、そんな時間はないとか、色々あるみたい。とすると僕のように毎日何時間も音楽を聴いている人間なんてのは老人か変人ということになるのだろうか。うーん、とモヤモヤしながら考えて気づきました。

        「弾きすぎないこと」〜スティーブ・クロッパーの教え

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        記事

          「ビートルズのように」

          「ビートルズのように」とくれば、「ビートルズのように成功したい」とか「ビートルズのような曲を作りたい」とか「ビートルズのように歴史に名を残したい」とか色々あると思います。「ビートルズのように」という言葉から広がる思いがたくさんあります。 僕らは?僕らならなんと言う? それは「ビートルズのように演奏したい」です。 ビートルズは今更言うまでもなく音楽の才能やクリエイティビティなどが常に大きくクローズアップされますが、僕が最近一番興奮するのはその演奏力です。 こんなに演奏力の高い

          「ビートルズのように」

          真夏のコロナ

           先日、バンドとしては初めての金沢ライブを行うべく、喜び勇んで金沢に向かったのですが、何と到着直後からメンバーが体調不良となり検査の結果コロナ感染が判明。すぐに連絡をしてvanvanV4の出演をキャンセルさせていただくということになってしまいました。本当に残念でしたし、ご迷惑をおかけして本当に申し訳なかったです。金沢という場所は、以前からライブをやってほしいと地元の人たちからお声がけを頂いていた場所でした。初めてのライブということで楽しみにしていたのですが・・。来てくれる予定

          義憤を超えて、諦めを超えて、その先。

           長崎の原爆慰霊式をめぐっての外国とのやりとりは色々なことを考えさせてくれました。国でも県でもなく市という自治体が投じた意見が波紋のように広がっています。市が国際政治に投げかけたものは何なのでしょう。ずっと考え続けています。考えさせたくない人たちもいるのでしょうから例によってそれほど報道されることもなく他のニュースで覆い隠されていくのでしょう。でも忘れることのできない出来事でした。市長のスピーチもよかった。その人の「言葉」がありました。「微力だが無力ではない」という言葉に指導

          義憤を超えて、諦めを超えて、その先。

          「いい音」の世界

           現代人の例に漏れず、ストリーミングで音楽を聴く習慣が身についてしまっています。カセットテープのウォークマンから始まり、CDやMDになり、iPodなどのmp3プレーヤーになり、今はスマホでストリーミング。音楽はテクノロジーの最先端に常に晒されているのだなと思っています。タダ同然で世の中に溢れ出したのも音楽が初めではないかなと思います。その後映像などもそうなりました。AIが音楽を作り始めています。やがて何でもAIが作るのでしょう。ここでも音楽が先頭。音楽は常に最初にテクノロジー

          「いい音」の世界

          どうして損得だけを基準にして生きることができるのか

          変なタイトルをつけてみましたが、僕の素朴な疑問なのです。 損をしたくない、という感情は僕にもあって普通の人間なら誰でも抱く感情なのだと思うのですが、それが狂気じみている感じがする人がよくいます。 とにかく1ミリも1円も1分も損をしたくない。1ミリの損、1円の損、1分の損をしないために血眼になって大汗をかきながら脳をフル回転させる人をよく目にします。とても不思議です。そんなに頑張るくらいなら1ミリや1円や1分の損くらいいいんじゃないの?と思うのですが。何故なのでしょうか?1ミリ

          どうして損得だけを基準にして生きることができるのか

          カオス・ノイズ 4

          カオス、ノイズについて色々書いて4回目になりました。 ほとんど呟きのようになっていますが、僕にとっては短い言葉で呟くこととこうして長く文章を書くことは大差がありません。書きながら考え、考えながら書いているので乱文はお許しください。 で、今回は音楽の話になるかなと思います。カオスやノイズ、アヴァンギャルドについてあれこれ書いてきましたが、僕はノイズと調性の取れた美しい音楽というのは表裏一体だと思っています。それはある種の「狂気」によってコインの裏表に張り付いているのです。不快で

          カオス・ノイズ 4

          カオス・ノイズ 3

          僕はノイズを求めている、という話を前回書きました。 どういうことかというと、それはある種の解放なのです。 日常というのはとても退屈になることがあります。当たり前のことが続くことに慣れてしまい刺激がほしいという感情は自然です。ですが同時に日常は素晴らしいものでもあります。生きるというのは日常の連続です。日常を放棄してしまっては生きることができません。僕は昔は退屈な日常というものは打破しなくてはいけないものなのだと思っていました。退屈な日常を打破するためにどんどん極端な生き方を

          カオス・ノイズ 3

          カオス・ノイズ 2

          カオス・ノイズ、なんてタイトルで書いていますが、よく考えてみればカオスとノイズを同じもののように語っているのは僕の勝手な視点です。 何でこの人はカオスとノイズを同じもののように語っているのだろう?と思われる方もいるかもしれません。確かに僕の勝手な思い込みであり主観です。その断りを入れるのを忘れておりました。 僕にとってはカオスやノイズというのは、均衡を破るエネルギーのなのです。硬直化したものを打開するような。凝り固まってしまったものを粉々に破壊するような。そのパワー、エネル

          カオス・ノイズ 2

          カオス・ノイズ

          僕は音楽が好きです。 色々な音楽が好きです。 その好みの中にノイズ音楽があります。爆音であったりおよそ耳にとっては有害とも言えるような「汚い」音が好きです。どうしてなんだろう、と思うことがあります。このテーマだと何個も文章が書けそうなので、少しずつ思うことを書いてみようと思いました。 僕の場合はノイズミュージックを聴くことも好きですが、それ以上に自分がノイズを出すことが好きです。個人練習と称してスタジオに入り、1時間も2時間もノイズをひたすら出したりすることもあります。どうし

          アメリカを透かして見えるもの〜アメリカ

          僕らはアメリカに渡って音楽活動をしながら数年間暮らした後、コロナで日本に戻ったままになって今に至っています。そして4月に短い期間ではありましたが再びアメリカを訪れることができました。 パンデミックは世界を大きく変えました。でも今世界的に起きている紛争や社会の混乱はパンデミックのせいだけではないのだろうとも思っています。ずっと長い間少しずつ変わってきたり積み重なったりしてきたものが、今現在大きく噴出し僕らの前に現れたのだと思います。政治も経済も大きく変わっています。日本にいると

          アメリカを透かして見えるもの〜アメリカ

          全ては伝えるために

          僕がこうして書いている文章を読んでくれている人たちがいます。 どれだけの人が読んでくれているのかはわかりませんが、僕のアメリカ人の友人が読んでくれていると連絡をくれました。とても嬉しかったです。彼は日本語は読めませんが、テクノロジーの力は僕の文章を驚くほど短い時間で翻訳し外国の友人にも届けることができるようになっています。 以前、僕は自分がこうして文章を書いているのは自分の考えをまとめるためだと書きました。しかしそれだけではないのだということにも今更ながら気づきました。 僕

          全ては伝えるために

          僕らを包む、ぼんやりとした悲劇

          先日、沖縄の日のニュースが流れてきていたので沖縄のことを考えていました。 僕自身は沖縄には縁もゆかりもなく、沖縄に行ったことすらありません。 ただ歴史の事実として学んで知ったことやそこから考えたことを書きたくなりました。と言っても繰り返しますが、僕は沖縄に行ったこともなく、沖縄のことを詳しく聞けるような友人も知人もいません。ですからわかっていないこともあります。そんな人間が書く文章です。 戦争の時の沖縄の悲劇というのを目にし耳にし本や記事で読むたびに、その出来事が起きた構造

          僕らを包む、ぼんやりとした悲劇