見出し画像

窪さん最新刊~『ぼくは青くて透明で』読了~

イチオシの作家・窪美澄さんの最新刊『ぼくは青くて透明で』を読みました。窪さん、(一昨年か去年?)、直木賞も受賞されて、ますますご活躍ですね。大好きな作家さんの1人です。

主人公の海(かい)は、幼い頃に母に出ていかれ、父も家を出ていき、その父の恋人・美佐子さんと二人暮らし。恋愛対象が同性なんですね。その海を、血の繋がらない美佐子さんが全部受け止めて育てていき、やがて巣立って専門学校へ上京します。高校で海が想いを寄せたのがクラスの優等生、忍。またこの忍の家にも色々とあり、海と一緒に上京するものの、上京して居場所を見つけて生き生きとする海とは対照的に思い詰めていきます。海、美佐子、忍、友人の璃子、海の実父の緑亮と、各章ごとに語り手が変わっていきますが、どの視点から読んでも惹き込まれて苦しくて切なくて、のめり込んで一気に読んでしまいました。誰もがままならない人生を懸命に生きているんだということが伝わってきて、本当に素晴らしかったです。2人の未来に幸あれ…!と祈らずにはいられません。

やはり窪さんの作品にもハズレなし。自信をもっておすすめできる作家さんです!

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?