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=読書感想文=生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方

中学生の頃からの友人からのおすすめです。
30年間も変わらず、付き合いがあるのは、読書のおかげです。

彼は、私が、子育て中の主婦しか雇わないこと、従業員の働き方を常に考えていることを知っていて、この本をお勧めしてくれています。

本を読みながら、私におすすめしたらいいだろうなと考えてくれていると思うだけで嬉しいですね。読書っていいですね。

さて、大きな海老の絵と立派な装丁です。1620円もしますので、価格に見合った造りで素晴らしいです。ここは本文と全く関係ありませんが、読むにあたって、身が引き締まり、本と真剣に対話しようと思います。

こんなにコストかけないで、安くしてよ!って方には、Kindle版があるという、いい世の中になりました。

この本は、会社経営をして、従業員を雇っている人や、管理職の方にお勧めです。私も、従業員の働き方に十分な気を遣って、いかに快適に子育てをしながら働くことができるか考えて長いのですが、この人は、10歩も先を行っていました。とても参考になります。

–この読書感想文の読み方–

本の中から、気になった言葉(文章)を引用しています。「 」の部分です。本を純粋に楽しみたい方は、ここを読まずに本を入手されてください。
「→」は、私の感想です。

読んだ人によってそれぞれ心に刺さるポイント、文章が違うと思います。
読んで見たいと思ったら、実際に読んで、再びこの文を読んでいただき、
私の着眼点との相違を楽しんでもらえれば幸いです。

そして、あなたの新しい発見や問題の解決のヒントになったら嬉しいです。

–スタート–

簡単に最初に著者の会社が何をやっているのか説明します。

パプアニューギニアから、冷凍のエビを仕入れて、解凍、殻を剥いたり、粉をつけてフライにしたりして、再冷凍して出荷するが主な業務です。

そこで働くバートタイムの従業員に、いつでも好きな時に来て、いつでも好きな時に休んでいい、しかも事前連絡禁止。作業についても、嫌いな仕事はしなくていいと言った革新的な仕事環境を作る会社です。ここに至るまでに、震災で工場が流され、大阪に移住するなどがありながらも、安全な食材を提供したいという思いと、従業員の職場環境を日々改善しようという工場長の話です。

震災を機に移住して来た身として、本題以外の原発や移住、移住先での再起など、身に沁みる思いで読みました。
私は、今回そこには触れませんが、冒頭で少し長いのですが、この部分がこの本の概要を表していると思います。

「「仕事とは最初からそこに楽しみがあるわけではない」と僕は考えているということです。日々の仕事は遊びのような感覚で楽しめるようなものではないと思うのです。自分なりに努力して、頑張っていく中でやりがいや楽しさを感じくことはもちろんありますが、基本的には毎日続けることで、次第に新鮮さも楽しさも薄まっていくと思うのです。」

その上で、「働きやすい職場」を作るというのは、従業員一人ひとりが仕事をどのように感じていようと関係なく、会社がひたすらに職場環境や人間関係を整え、誰もがいごごちがいい状態を目指すことだと思っています。

しかし、ここで個人の感情を意識しすぎて、楽しい職場や笑いが溢れる職場というものを目指そうとすると、現場が本当に求めているものとは違う方向に行ってしまいます。

→最近好きなことを仕事にしよう!系の本をよく見るので、仕事は仕事、よりよく生きるために働くという姿勢はむしろ新鮮に感じます。

「会社経営と同じぐらい従業員が人間らしく気持ちよく働ける職場、いわば「生きる職場」を作るということが大事だと感じています。
→とても大事だと思います。これによって、従業員と経営者は信頼関係を結ぶこともできますし、気持ちよく働けるということは、仕事の質も高くなるということにつながります。

「1時間あたりで決まってお給料をもらう人が、むやみに休むでしょうか」
→これは自分でも感じていました。子供優先で必要があればいつでも休んでくださいと言っているけど、やはり自分の生活もあるし、そのために働こうと思っているのに、月に一回しか来ないとかはないと思った。逆に、控除の関係上、全日出てしまうと上限を超えてしまう。なので、みんなが休みやすいようにある程度のスタッフを抱えても、みんな適度に休んでくれるので、結果バランス良いスケジュールになる。ここが、著者のフリースケジュールという画期的でもあり、意外と気づかれていないパートタイムの利点であると思う。

・やってダメなら元に戻す

「出勤・欠勤日を自由にすることが定着し、次の段階として出勤退勤時間も自由にしよう思った時。2週間だけの限定でやってみます。と大きな退路を作った上でスタートした。こういうことが意外とうまくいくことがある。」
→導入して失敗したらどうしようとか、問題だらけだったらどうしようとか考えてしまいますが、問題がわかるということは、解決方法があるということですし、やってみないとどうなるかわからないので、ある程度の見込みがあったらやって見ることが大事だと思います。

・押し付けないから挑戦できる

「嫌なことから逃げていては人は成長できないのではないか」
著者は、外部からこういう指摘を受けるということです。

「自分でやると決めて自分から立ち向かっていくからこそ乗り越えられるし、それは自分にとってプラスにとらえて、その後の人生にも良い効果をもたらしていく。他者からの強制ではなく、自分から気持ちを奮い立たせて立ち向かうことで、人は初めて成長できるというのが僕の考えです」
→確かに、嫌なことでも自分で挑戦してみて初めて成長できると思います。そういう環境を整えてあげる必要がありますね。

「会社でやっていることと、子供に教えていることと何ら変わらない」

「人の悪口を言ってはいけないよ」
「自分が嫌なことは人にしてはいけないよ」
「焦らないでゆっくりでいいよ」
「好きなことをドンドンどんどんやりなさい」
「友達と順番にね」
→まさに。子供に言っているのに、会社て違うこと言うなんて変ですよね。でも、実際の社会って、ほとんどこの逆のしているんですよね。

「従業員が自分の私生活を大事にできることはとても重要で、それぞれの生活のスタイルに会社がピタッとはまっているような、溶け込んでいるような状況が理想的です」
→おっしゃる通りです。私も会社で実践していきます。ありがとうございます。

よりよく生きていくためにぼくら一生懸命働く。これが僕たちの「生きる職場」なのです。

–まとめ–

震災による移住という面や、添加物に頼らない商品を提供しようという気持ちにバイアスが掛かっているのかもしれませんが、最後まで一気に読みました。会社に反映できる面も多々あり、勉強になりました。素晴らしい人がいるものですね。しかし、それも会社や従業員とともに自分も成長して行った結果というのがいいですね。私もそうありたいです。あっ著者は私と同じ年ですね。私ももっと成長しないといけないですね。ちなみに福岡生まれだそうです。


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