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=読書感想文= 人は仕事で磨かれる 丹羽 宇一郎

面白い本があると、その著者の他の本も読んでみたくなります。そして、その本の中で、気になる本や、気になったことの関連の本を探して行くと、読みたい本がどんどん出てきます。興味がどんどん出てきます。本の連鎖です。

この本は、先日読んだ「死ぬほど読書」が面白かったので、借りてきました。

引き続き読書の素晴らしさが書かれ、仕事によって、自己を磨いて行くことについて書かれています。

仕事についてですが、特に経営者やリーダーにおすすめです。

–この読書感想文の読み方–

本の中から、気になった言葉(文章)を引用しています。「 」の部分です。本を純粋に楽しみたい方は、ここを読まずに本を入手されてください。
「→」は、私の感想です。

読んだ人によってそれぞれ心に刺さるポイント、文章が違うと思います。
読んで見たいと思ったら、実際に読んで、再びこの文を読んでいただき、
私の着眼点との相違を楽しんでもらえれば幸いです。

そして、あなたの新しい発見や問題の解決のヒントになったら嬉しいです。

–スタート–

「私が小林社長を指名した理由は、まず1つ、人間力があるからです。これは、気力、体重、知力、そして情熱といった人間としての力が強いということです。」

「それを儒教の精神にある「仁、義、礼、智、信」に「温」という言葉を加えて表現していますが、彼はそれが極めて優れていると思います。」

「五感を研ぎ澄ますこと。触れて得られるもの。こうした五感を統合したものが常識だと私は考えます。これからも経営の根幹はまさにそこにあるでしょう。」

「ひとつの仕事を極めれば、大体の仕事のやり方というのはそう大きく間違えることないです。スペシャリストこそ優秀なゼネラリストになれるというのが、私の基本的な考え方です。」

「そもそも経営というのは、実務を行うこととは異質なものです。どうやってお金を儲けるかということより、もっと大切なポイントがある。それは、経営管理、すなわち人を動かす力や、組織を改革する力といったものです。」

「物事には売却の時期というものがあります。損が出てから売るのは簡単です。儲かってる最中に売ることが難しい。」「宝の山だと思っていたら、いつのまにかに毒饅頭に変わるんです。その前に整理をしなくてはいけない し、 それを可能にするには、新しいまんじゅうおし入れる必要があります。」

「守りだけで責めないというのは、守ったことにならないんです。守りだけやっていたら会社は潰れてしまう。攻めは攻め、守りは守りでやって行くのはビジネスの鉄則です。」

「問題が起きたら、とにかくすぐに飛行機で飛びなさい。お金がかかると顔問題ではない。人間というのはすぐ飛んで、 face to faceで解決しなくちゃいけない」

「基本は、誠実さと言行一致なんです。絶対に裏切らないこと。言ったことは必ず実行に移す。しかも早く行動する。」

「社長として目指すところは何か、と聞かれた、私はこう答えます。社員の喜び、株主が喜び、取引先にも「伊藤忠はいい会社だ」と言われることだ。みんなと感動や感激を分かち合う喜びの方がいい。」

「分からない時は半分切れ」とういうのが、私の相場観です。この後相場が上がったら「しまった、半分切っちゃった」ではなく、「まだ半分残していた」と思えばいい。それでさらに下がったら、また半分切って1/4にする。これで上がったら「1/4残していたんだからいいじゃないか」と考える。これは、リスクマネジメントとしては最低限の対応でしょう。」

「経営者は、 たとえ怪我をしても考えうる限りの軽傷で済ませる判断をしなくてはいけません。すなわち、できるだけの範囲で思い切って処理する。これが不良債権処理の鉄則です。」

「スリム化がひとつの勝敗の要になります。相手が一年で100の経費がかかるなら、自分は90で終わるようにしなければいけません。たとえそこでは10の差しか生まれなくても、10年経ったら100の違い、つまり一年分の経費の差が出てきます。もっとも、減らしすぎてその場で死んでしまったら意味がない。食べるものを食べないと今度は逆効果です。」

「私は、人のため、社会のため、国のためにならない仕事は絶対に繁栄しないと考えています。」

「マックスウェーバーは「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」のなかで宗教が資本主義における一つの支えなると著しています。」

「不自由を常と思えば不足なし」これは徳川家康の言葉です。

「クリーン、オネスト、ビューティフル」こうした論理感の骨格になるものは、武士道の精神だと私は考えています。「君子、父子、 夫婦、長幼、 朋友」 と言う五つの論理があります。これを破ると不倫になる。何も男女関係だけをとって不倫と言ったのではないのです。

「それを理論的に支えたのは論語です。その中に、特にリーダーの条件とした九つの徳目というのがあります。「温、良、恭、検、譲、寛、信、敏、恵」の九つです。」

「この九つの徳目と先にも出た五常「仁、義、礼、智、信」は、経営の根幹になる倫理を教えてくれると思います。」

→経営者として、人として、非常に重要な事かと思いましたので、著者の文体をちょっと変えて、まとめます。

温 人間的温かみ
良 人の美しさ、正直さ
恭 仁とともにある慎み深い
検 質素である事
譲 礼儀正しさ
寛 厳格であるとともにある寛容
信 信用と信頼
敏 素早い対応
恵 浪費とならぬ施し

これはもう、毎日暗唱して、空で言えるようにならないといけないですね。関係ありませんが、私の名前の譲があります。こんな意味があるとは思っていませんでした。常々、たとえ子供でも礼節をわきまえようと思って、人に接してきました。場合によっては、距離を感じる人もいるかと思いますが、昔からこうでした。名前から来るものってあるんですね。つけてくれた両親に感謝です。

「いずれ技術が行き渡り、コモディティ化するでしょう。ではどこて差をつけていくか。それはより技術を必要とするもの、より品質の高いいいもの、他では作れないものということになります。」

「相場の世界には、「森羅万象売り買いか」という言葉があります。世界で何かの事件が起こっても売りか買いか。日本の首相が交代しても売りか買いか。何かにつけて売りか買いかを考えるわけです。」

「こうした訓練は、経営のリーダーとなるものに飛んて非常に重要だったと思います。様々な情報を集めて分析し、決断を下す。」

「年齢を重ねてきたら金の匂いがしないとダメです。」

「読書というのは、ご飯を食べるとか、朝起きたら顔を洗うとか、そうした日常の生活習慣と同じ感覚にならなければ本物ではないと私は思います。」

「昔は想像力を育てる環境がありました。人々は、想像力を掻き立てて、思いを巡らすしかなかったと言ってもいいでしょう。」

「ビジネス社会で評価の軸となるものは何か。それは周りから必要とされるかどうかだと私は思っています。」

「私の解釈を言えば、神とは自分以外の全てです。全ての人が自分を見ている。そう信じて一生懸命やっていくことで、人間は強くなっていくものだと思います。」

「現場をきちんと自分の目で確認することです。自分で判断を下す人には、特にこれが必要でしょう。」

→報道について書かれたことでした。メディアが取り上げるのは、一部の出来事で、珍しいから。珍しくないことは取り上げない。つまりこれが普通と思ったら間違い。ということでした。

「リーダーととして、周りを引っ張っていくためには、思いを共有しなければなりません。そのためには自分の夢やビジョンを語り、部下がどんなことを考えているのか知っておく必要があります。コミュニケーションをとって、お互いに思いや感動を共有ずくからこそ、仕事の目標や責任が明確になり、やりがいに繋がっていくのです。」

「人は話を聞いているようで実はそれほど聞いていないんです。人の話など、そう全部覚えていられるはずもありません。だから、私はわかりやすい言葉で、何度もなんども同じことを繰り返します。」

「また同じことを言っていると思ったらしめたもの。ようやく頭にインプットされるようになっていたということです。」

「「知の衰退」がなぜ起きたか。その大きな要因の一つは、本を読まなくなったことです。今は世の中のあらゆるものがディスクローズされていて、本を読みながらいろいろ想像し考えるという習慣が極端に減ってきました。文章の行間を想像したり推測したりといった感性がないわけです。」

「トルストイなどは、読んでいるとその風景やロシアの農民の生活が頭の中で無限に広がってきます。」
→そうなんですか?言い方は悪いのですが、小説はただの娯楽と思っており、無駄な時間は使えないと思っていました。読んで見ます。

「私は、一流の人と接することは非常に大事だと思っています。一流の人に会う、一流の物を見る、触れる。買えるなら買えばいいい。経営も同じです。一流の経営者に決する。その人が書いた本を読んで感銘は受けなくても、その人が持つ人体験を生身で話してもらうと、実に感じるところがあるんです。」

「日本人以外の人と触れ合って、彼らがどんなものの考え方をしているか、どれほど一生懸命勉強しているかを知ることも大事でしょう。」

「エリートなき国は滅びると思っています。」

「エリートには、その地位に見合った責任と義務が生じます。他人のために尽くす。悪い時には矢面に立ち、良い時には後ろに下がる。謙虚さと謙譲の精神を持たなければなりません。」

「緊張を伴う仕事であればあるほど、そこから得られるものも大きいはずです。人間として一回りも二回りも成長していくことができる。」

「「Innovation remains an enigma」という私のお気に入りの言葉がありますが、私は技術革新や革命以上に「Life remains an enigma」人生は不可思議で、謎めいたものだとの思いが年とともに強まっています。」

「我々の生活が、たとえ小さいな行いでも誰も見ていないときでも、誰にも恥じない生活態度が、ひょとすると人生の全てを決するのではないかとさえ思えます。」

--まとめ--
読書がいかに大切かと言うことは、もちろん書かれていますが、それ以上に、経営者として、心構えが書かれています。非常にいい本でした。

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