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=読書感想文候補=ゆっくり、いそげ

この本を手に取ったきっかけ–

昔から、カフェや蕎麦屋に興味がある。高校時代からの友人に、そういえば高校生の頃、蕎麦屋をやりたいって言っていたねっと言われたことがある。そんな前から言っていたのかと思った。

写真、喫茶店、蕎麦屋は、定年退職後に始めたいこと、ベスト10に入るのではないかと思う。小さい頃から落ち着いていると言われていたけど、今思うと変わった高校生だったと思う。

42歳になって、写真もやっているし、蕎麦屋もやっている(手打ちそばインストラクター)、願って、実行すれば、結構叶うものだと思っている。この調子で、喫茶店もやってみたい。

福岡に来て、大好きになった本屋さんのブックスキューブリックで、著者のトークショーの告知をみて、面白そうと思ったのだけど、ちょうどその日に予定があって行けなかった。そんな経緯があって、本を読んでみた。

写真、喫茶店、蕎麦屋は、どうして定年退職後にやる人が多いのか?個人的な見解は、儲からないからだと思っている。世にいう「好きなことで食べていけるほど世の中甘くないである。」

そんな中、経営コンサルでも、一流中の一流、マッキンゼー出身の著者が始めた喫茶店「クルミドコーヒー」の本。プロの経営コンサルが、儲からない代表の喫茶店を作ったらどうなるのか大変興味がある。

喫茶店経営はもちろん、飲食、物販等のビジネス経営者、地域貢献や自分のやりたいことをどうやってお金にしていくか考えている人におすすめです。

–この読書感想文の読み方–

本の中から、気になった言葉(文章)を引用しています。「 」の部分です。本を純粋に楽しみたい方は、ここを読まずに本を入手されてください。
「→」は、私の感想です。

読んだ人によってそれぞれ心に刺さるポイント、文章が違うと思います。
読んで見たいと思ったら、実際に読んで、再びこの文を読んでいただき、
私の着眼点との相違を楽しんでもらえれば幸いです。

そして、あなたの新しい発見や問題の解決のヒントになったら嬉しいです。

–スタート–

不特定多数でもなく、特定少数でもない
「特定多数を商売の相手にしないといけない。」
「不特定多数を相手にすると価値交換が単純化してしまう。」
→ビジネスをする上で、ターゲットを明確にしないといけないと思っています。売る-買う、通貨と交換する。実際はもっと複雑ではあるが、最近は、ネット通販をはじめ、自動販売機化して行っていると思う。今、世に言う効率化ではあるけど、人と人との繋がり、距離感が生む、単純にお金だけではない、新たな経済圏を提供しなくてはいけないと思った。

「里の風景を守る、安心安全の食材、日本の食料自給率改善といったメッセージだと、理性的な情報処理となってしまう。それよりも、美味しいから、気持ちいいから、楽しいからという入り口から価値を感じてもらう。その上で、このくるみ実は国産なんです。とかこんな産地の努力があるんです。といった方が、多くの人に受け取ってもらえる。」
→確かに、情報は必要で、メッセージを伝える必要はありますが、実際に美味しいとか、楽しいとかを味わった後にそれを聞いたら、さらに感動しますね。

「ものを売る店ではなく、空間を過ごしてもらう線や面の接点を持つ職業」
→著者は、カフェは、エンタテイメント業と言っていた。確かに。コーヒー1杯と単なる座る場所の提供であれば、Mの100円コーヒーがある。そこに、500円のコーヒーを提供しようと思ったら、400円分の価値をなんらかの形で提供しなくては行けない。

「特定多数が3000人を超えたあたりから、収支が合うようになってきた。」
「西国分寺の半径1キロは、3万人。」
→3000人のファンを持つということか、、、どんなプロ職業でもこのくらいできないと生き残れないかもしれない。

「消費者的人格を刺激してはいけない。」
→この「消費者的人格」というのは、とても面白い表現。反対語は、「受贈者的人格」。

「仲間と、家族と、一人で、そして、みんな来た時より良い表情で帰っていく。」
→素晴らしい仕事、そんな場所を作ってみたい。

「受贈者的人格と消費者的人格は、あらゆる人が持っている。お店がどっちの人格のスイッチを押すか。」
→2つ前にも出たが、消費者的人格とは、500円も払ったんだから、元を取らなきゃ!っていう感覚。サービスがお客様の要望を満たしていないと、こういう感覚になる。システマチックなお店では、ミルク2つもらって、一個は家に持って帰ろうと思ってしまう人もよくいるだろう(ない?)。受贈者的人格は、こんなにしてもらったんだから、なんかお返ししなくちゃ!っていう感覚。

「どんなお客様とも初めて会うチャンスは一度しかない。最初の印象は、大きな印象を及ぼす。」

「どれだけ送る仕事ができているかで、お客さんに負債感を与えることができる。」
→最近、うまく行っている人の話を聞くと、だいたいここにたどり着く気がする。ギブアンドギブ。

「クレーマーとは、消費者的人格の行き着く先である。」
→まさに。過去に安い価格を売りにした商売をしていたときのことを思い出した。価格だけしか受贈者的人格のツボを押すことができない商売は、一歩間違えると、消費者的人格のツボを連打することになる。もっと早くこの本を読みたかった。毎日原稿用紙数枚のクレーム文を送られて、何を言っても悪く受け取る。一ヶ月間毎日その文を読まされ続け、最後に精神的苦痛を受けたので訴えると言われた。それはこちらですと言いたかった。そしてとても問題があったはずの商品なのに、ものすごくご愛用頂いたらしく、くたびれたものを新品価格で返金して、その上お詫びを見える形で収めたら、素晴らしい対応だと感謝のお礼状がやってきて、無事解決しました。お金で押してしまった消費者的人格のスイッチは、お金でしかスイッチを切れなかった。苦い思い出。

「交換を等価にしてしまってはいけない。不等価な交換。お店が定価以上のいい仕事をしていると、お客様が今度は返さなてはと思う。」
→仕事は、お客様の思う結果を超えて、サプライズを生んでこそ。

「チップは、広大な大陸で、今度いつ会うかわからない相手に、サービスを毎回清算するためのもの。」
→日本にチップがないのは、限られたエリアに住み続けるので、継続して通う可能性が高いからかもしれないという発想。ギブ、ギブ、ギブなお店はまた戻って何か返したいというもの。返せないなら、その場で最大限のお礼をしたい。それがチップなのかもしれない。

「現在の仕事で多く求められるのは、システムのオペレーター。自分が何が好きで、何が美しいと思うか答えられなくなってくる。」

「利用しあう関係から、支援しあう関係になる。「

「自動販売機化する社会。ガソリンスタンド、病院、図書館、電車は自動改札、ネットはクリック一つで本が、ボタンひとつでコーヒーが。」

「誰の仕事かわからなくなってくる。それは感謝の気持ちをなくす。」
→確かに、そもそも感謝する相手が分からなければ、感謝の行き先がない。

「採用の時に聞く言葉。
 あなたは、お店を生かして、どんなことを表現してみたいですか?
 どんなことをしてみたいかともいう。」
→これは、自社の面接で試してみたい。答えられる人いるでしょうか、、、

川上さんのビーフシチューの話が面白かった。
→スタッフ川上さんが作るビーフシチューの話。この方が、親子で通う洋食屋さんからレシピを教えてもらう話で、そのメニューをやめるまでの話。感動なので、ここでは書かないことにします。

「コンビニのお弁当がおいしくないのは、そこに作り手の存在がないから。」
→確かに、セブンイレブンの鈴木さんの本を読んだとき、そのこだわりようと言ったらすごかった。コンビニ弁当にそこまでするというほど徹底している。なので、美味しくないとは思わない。でもほか弁の方が美味しいと感じる。味の違いはわからない。しかし、そこにあるのは、カウンターから見える、作る姿にあると思う。

「人に仕事をつける。仕事に人をつけると、人はどんどん交換の効くこととなる。」
→うちの会社は、子供を持つお母さんを中心に構成している。インフルとかで、1週間、兄弟がいて、移ってしまって、2週間連続来れないなんていうのは、日常茶飯事。その人しかできない仕事を作ってしまうと、結構大変。でも、大体は、社内のマルチ人間がカバーするので、基本的には人に仕事をつけている。しかし、マルチ人間は結構大変。どの分野も深く広く知っている必要がある。経営から、品出しまで把握しているマルチ人間は、うちの会社は一人しかいない(自分)。なので、大変さを身にしみている。

「他人とともに自由に生きるというのは一見矛盾する。これにチャレンジするには、話すより聞くこと、違いを楽しむこと。」

「私と私が出会って、お互いを活かしあって、私たちとなる。かつては縁側がその存在だった。今はそれがカフェにできないか。」
→縁側カフェか。いい響き。

「日本人はマナーがいい、財布が落ちていても誰も拾わない。それは関わりたくないから、歩きながら、スマホ。音楽。プライベートを外まで持ち出す。サードプレイスというと、一人になれる場所を示している。」
→確かに些細なお金のことで、面倒なことに関わりたくないという気持ちの方が強いかもしれない。歩きスマホに、ヘッドフォンは、自分空間のまま移動しているという感じがする。移動時間を有効に使っているとも言えるが、、、

アンティークを消費するのではなく、生み出してみてはどうだろうか。
→今後、50年、100年後に残っているようなものを生み出さないと、今あるアンティークを消耗していくだけ。

「ビジネスの目的をテイクでなく、ギブから始めたい。目的をギブにする。」
→ギブで初めて、ギブで終わる。今後のビジネスの基本方針にしたい。

--終わり--


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