虎に翼 第16週 シナリオを読む
語り「いざ話そうとすると、優未に優三のことをどうやって、何を話せばいいか分からない」
（寅子＆優未）「……（漬物の音ばかりが聞こえる）」
脚本はドラマの鑑賞としては邪道、とまで言うと言い過ぎだけど、演出家があえて整理して再構成する前の「元の情報」なのだから、と思っていました。が、今週も、小さいとはいえ、ありがたい発見の連続です。
漬け物をちゃぶ台でポリポリいわせる。これは、ホームドラマの表現としての定番。とはいえ、ヒロインとまだ幼い娘がそれをする。
上手く言えないのですが、すごく新しい表現のような気がする。なのに、実際にオンエアされたドラマ映像からは、漬け物をポリポリいわせる演出は省略されていました。
不満というほどではありません。今まで何度か猪爪家で女たちがたくわんをポリポリいわせる場面があって、それは第三者の目で見ると、不穏や怒りが燻っている予兆に思えたから、それもあって今回は省略されたのではなかろうか。たぶん。
でも、言語化できないレベルのもやもやを「不穏や怒り」と勝手に解釈してしまったのもまた、たまたま何かを取ろうと伸ばした誰かの手を見て、とっさに「ぶたれる！」と身をすくめるのと同じくらいの、機械的な反射だったのかしら…
いろいろ考えさせられました。
#テレビドラマ感想文
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