【自分と向き合う編】もしかして、こんな感じで自殺してしまった人もいるのかもしれない その3
那覇経由、石垣島の便で、日中に空港に到着したわたしは、
適当に乗ったバスにゆられて、たどり着いた場所にいた。
どこかは知らない。
わたしは基本的に道に迷うタイプだ。
仕事の時は、さすがに下調べをするので余程のことがない限り問題は起こさないが。
こと、プライベートに関しては、というか、元々の人間性において、本当に適当かつ、のんびりしたやつなので。
道も調べないし、時間も見ないし。
太陽が昇ってきた方角が東よね?
お日様の位置があの辺だから、今これぐらいの時間かしら?
ぐらいの感覚の人間だ。
なので、わたしに近しい人(実家を除く)ほど、わたしがどうやって仕事をしているのか分からないと言われる。
「本当に日本語話せてる?文章にして喋れるのか?」
「毎日出勤できてるんか?まじで?どうやって?」
「お前を昇進させるとか、お前んとこの会社やばいって!」
と、職場や学校時代のわたしを知らない、近しい友人たちは、
口を揃えてこのような評価である。
大体、主人経由で知り合った友人たちなので、わたしは、主人の妻ではなく、主人のペット扱いされている。
ひどい話である。
ただ、こんな人間が素地なので、色々なことを心底から重く受け止めずに済んでこれたのかもしれない。
話は戻すが、飛行場から適当にバスにのり、喉が渇いたので、スーパーの近くでバスを降りた、わたしだった。
石垣島は島とは言え、てくてく歩いて一周できる距離ではない。
つまり、なんとかしてホテルにたどり着くための手段を手に入れる必要があった。
とりあえず、スーパーでペットボトルの水を買い、キャリーケースを引きながら、炎天下の石垣島を歩く。
飛行機も酔う時があるので、食事も碌にとっていなかったわたしは、行く道々で少量の食糧を買い求め、食べ歩きをする。
一番おいしかったのは魚屋さんが揚げてくれた、もずくのかき揚げだった。
石垣島の空気の中で、あの衣を食べてるのか、もずくを食べてるのかよく分からないかき揚げは、不思議としっくりとくる味だった。
ただ、さすがに暑い。
どこか、お店に入ろうと、思った矢先に、喫茶店の看板が見えた。
中では、女性の方が一人、カウンターの奥で作業をされていた。
客は誰もいない。すばらしい。
早速入店し、アイスコーヒーを頼んだ。
そして、このお店で、わたしはさっそく、石垣島、もとい沖縄県民の洗礼を受けることになった。
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