「百万円貯まったら、この家を出て行きます!」(「百万円と苦虫女」読書記録)
うつ病になると、文字が読めない。
よく言われていることですが、適応障害で休職してすぐの頃の私も同じような状態でした。
仕事をしていた名残で、まだ頭はフルスロットルで動いているのに、何も入ってこないし理解できない。だけど何かしたい、何かしなくちゃ。そんな思いで、ひたすら英単語帳「金のフレーズ」を眺めていました。
休職して3ヶ月が経ち、ようやく外出の機会も増え、家から徒歩20分の図書館へ行けるようになるまで回復してきました。今回はそんな日々の中で読んだ本の読書記録です。
「百万円と苦虫女」(タナダユキ)
映画化されているので、観たことある方も多いのではないでしょうか?
短大卒業後、フリーターをしながら生活をしている鈴子(蒼井優)が、とある事件をきっかけに実家を出て、各地を転々としながら日々学び、成長していく物語が描かれています。
けっこう好きで、何回か観ていると思うのですが、本があったのを知らず、図書館で見つけて借りてみました。
心に響いた文章メモ
100万円あればなんとかなる。
そんな思いで行き当たりばったりに電車を乗り継いで、住む場所と働き先を見つける鈴子(主人公)の生き方は、もうそんな風には生きられない今の自分にとって羨ましくもありつつ、これからどう生きていこうかなと考えさせられる一冊でした。そんな文章の中から、グッときた部分をシェアしたいと思います。
桃ライフ
「あ~空からお金が降ってこないかな」
なんて、考えたことありませんか?
私は引き寄せの法則をけっこう信じているので、「降って」くることはないにしても、強く念じることで何かしらで得られると考えているのですが・・・。それもこれも、ちゃんと自分でそうなるように行動するからですよね・・・!
鈴子もそれをわかっていて、しっかり職を得ているので、見習いたいところです。
「優しさ」とはなんなのでしょうね。
一見、相手の事を考えて怒鳴りつけてやり方を変えようとするパワハラ上司にとってはそれが優しさなのかもしれないし・・・。
怒鳴られてるのを見ているのに、何もいわない同僚たちにとっては、無口でいることが優しさだったのかもしれないし・・・。
もう今となってはどうでもいい気がします。
家族・友人という味方がいて良かった。ただ、それだけで幸せです。
花ライフ
日々、どうやって生きていこうか。
ネガティブとポジティブは表裏一体だな、と感じました。
恋は鈍色
「自分探し」って余裕のある人のモラトリアムだと思う。
本当に切羽詰まって、逃げ道がない状態のときには、探してるひまなんてなくて、ただひたすら、目の前に敷かれたレールに乗るしかなのではないでしょうか。
苦虫を噛みながら
鈴子が、離れてくらす弟の拓也に向けて書いた手紙の一部です。
パワハラ休職をして、無理をしても良いことなんてひとつもない、心の底からそう思います。だけど、無理してたんだって気付いたのは休職をしてからでした。離れたから気付けたこと。
起きることすべてに意味がある。
転職をしたことも、移住をしたことも。
ブラック企業で働いたことも、休職をしたことも。
きっと、この先自分が楽しく生きていくために必要なことだった。
振り返ってみなければわからないことだから、いつかこの先そう思えるように、もう少しがんばって日々を過ごして、肩の力を抜いて生きてみようかな、と読み終えた後、振り返っていてそう思いました。
興味を持ってもらえたら嬉しいです。
映画も本も、どちらも面白いのでよかったらみてみてください♪