【今日読んだ本】火喰鳥を、喰う (原浩著)
読書記録として。
ストーリー
信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。
ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。
久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。
そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。
(Amazonのサイト内本の概要より)
書き出し
お前の死は私の生
まただ。またいつもの夢。
私は自分の身体が夢境の泥沼にあるのを認識している。夢から覚醒しようともがくが、下肢は粘膜に囚われて思うようにならない。叫ぼうにも縫い付けられた唇は開かない。海底を這うようにもどかしく步を進める。
逃れなくてはならない。
感想
私は基本的にホラーが苦手である。
いわゆる霊感が強いタイプらしく、ドライブ中に突然ゾワっと鳥肌が立ち、カーブを曲がるとそこに花が手向けられていたり、現実にそこにいない誰かの姿を、み、みえることもある(震え声)
霊感の強い友人も同時に見ており、その特徴がほぼ同じで、
え?私、本当に見えていたの?
と逆に怖くなった。
そのため、リアリティをより感じてしまい、わざわざ見たく無いのだ。
でも、ホラーによくある怨念に至るまでの経緯が、哀しくて切なくなるタイプのものは実は結構好きなのだ。
(ホラーも好きなんじゃんーー)
どうやらなんちゃって霊感があるようなので、本作に出てくる、特殊な能力があり、そのため人と分かり合えないと孤独を感じている人たちの気持ちに共感するところがある。
作者の方にも近い能力があるかも?とまで思った。
それにしても、これがデビュー作?と本気で驚く。
描写が秀逸で、情景がありありと浮かぶし、ホラー的な怖さが、舞台設定の夏の暑さやジャングル感と相まって、じわじわくる。
すごくよい。
怖いけど、よい。
ホラーが苦手なのにこの本を手に取った理由は、表紙が印象に残ったから。よく聞く背表紙が光るってやつである。
そして怖かったけど、なんていうか、この方の本をもっと読みたくなりました(私的な最高の褒め言葉っす)
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