最高のご飯

元夫が炊いたご飯は、絶妙に美味しかった。
サラダ油が入っていても、油臭くなく、ツヤツヤピカピカしていて、適度に柔らかかった。

同じように炊きたくて、彼の帰りを待ち「水はこれくらい? オイルはこれくらい?」と、聞きながらご飯を仕込んだことがある。
でも、彼が炊いた時のようには仕上がらなかった。

私が炊いた油なしのご飯も美味しそうに食べてくれたけど、あの技をマスターできるまで、伝授してもらいたかったな。

一時期流行った「オイルご飯」とはまた違った感じの、ちょっとしたコツのような油の使い方。
彼なりの分量を、感覚でつかみたかった。

食の好みも、ひとつひとつ、お互いに知り合いたかったし、毎日がその積み重ねだと思っていた。

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夕月 檸檬 (ゆづき れもん)
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