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ピティナ特級公式レポート1〜3次予選リハーサル〜

2次予選の結果発表から一夜明けると、すぐに3次予選のリハーサルが始まります。ちょっと休憩、というようなことが許されないんですね。参加者のみなさんが将来、ショパンコンクールやヴァン・クライバーンコンクールなど、さらに過酷な国際コンクールに通用するような実力を付けていただきたい、という特級の願いがここにも現れています。

特級の仕組みをもう一度おさらいしたい方はこちらから!

3次予選のリハーサルは、2つの会場に分かれて、伴奏担当の先生ごとに実施されます。私は、梅村知世先生(2010年特級グランプリ)が伴奏を担当する、東音ホールでのリハーサルを見学させていただきました。

3次予選リハーサルのスケジュール

吉原 佳奈さん

ひとりめは、吉原 佳奈さん。ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43です。主題と24の変奏からなるこの曲の、指定部分を抜粋して演奏されます。

細かな部分の認識を合わせていきます

テンポを合わせるのが難しいところや、音のバランスなどを丁寧に確認していきます。「あ!今ぴったり合った!」という時には「できたね!」と笑い合っていたのが印象的でした。

笠井 萌さん

ふたりめは、笠井 萌さんのラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調から第1・3楽章。第1楽章はもちろん、疾風怒濤の3楽章は特に、呼吸を合わせるのが大変そう。

ふたりで話し合い、決めていきます

どの音を入りのタイミングとするか、合図の仕方など、ところどころにあるポイントをひとつひとつ確認するようにリハーサルは進みました。

神宮司 悠翔さん

最後は神宮司 悠翔さん。チャイコフスキーピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23 です。

楽譜を見ながら話し合います

壮大でスケールの大きなこの曲をどう表現したいのか、神宮司さんの意図を最大限活かすための調整をしているようでした。

最後に

今回3次予選では、3人がラヴェル協奏曲、3人がチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番を演奏する予定です。なので私は、同じ曲は、一人の公式伴奏者の方が続けて伴奏されるのかな・・と思っていました。でも、違うんですね。しかも2次予選の結果を受けて、翌日のリハーサルと翌々日の本番で担当しなければなりません。経験豊富な先生でなければ務まらない、と感じました。

梅村先生は、演奏の中で演奏者の意図を読み取り、「ここは徐々にテンポを上げていたけれど、そうした方がいいのね?」と確認したり、「私は今、こういう弾き方をしているけど、そうじゃない方がいい?」と聞いたりと、演奏者の意図を最大限発揮できるよう、心遣いをされている様子が伝わってきました。リハーサルの前後にも、演奏者の緊張をほぐすようなお話をされ、全力でサポートするぞ!という姿勢が伝わってきました。きっと出演されるみなさんも、明日は大船に乗った気持ちで表現できるのではないでしょうか。

こちらが、梅村知世先生の、2010年グランプリ時のベートーヴェンピアノ協奏曲大5番「皇帝」の演奏です。

私も客席で、応援していましたよ(聴衆賞も入れたよ)!

明日の3次予選がとても楽しみです!
出演者や演奏順については、下記のページをご覧ください。

https://compe.piano.or.jp/event/tokkyu/result-timetable.html#maintxt

日程:7月29日(金)13:30~
会場:東大和市民会館ハミングホール大ホール
会場でのご参加の他、前編Youtubeでの生配信を予定しています。

※恩田佳奈先生 伴奏担当のリハーサルの様子はこちらから。

(画像提供:ピティナ)